『現代将棋ってこういうこと』棋書アンバサダーによるレビュー 磯崎公作様|将棋情報局

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『現代将棋ってこういうこと』棋書アンバサダーによるレビュー 磯崎公作様

『現代将棋ってこういうこと』棋書アンバサダーによるレビュー記事、第1弾です!

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 2023年2月発売の新刊『現代将棋ってこういうこと』(佐々木大地・増田康宏)では初の試みとして、発売前にゲラを読み書籍のレビューを書いていただく「棋書アンバサダー」を実施しました。
 


ここでは棋書アンバサダー第1弾となるレビュー記事を掲載します。
ご執筆いただいた磯崎様、誠にありがとうございました!

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『現代将棋ってこういうこと』棋書アンバサダーの磯崎公作と申します。
私は現在大学二年生で、所属する金沢大学将棋部で主将をしております。将棋歴は5年で四段ほど。指し始めてから4年は角交換四間飛車党で、1年ほど前に転向した序盤型の居飛車党です。
私の出身である東京都八丈島では将棋を指せる人がいなかったので高校時代は棋書を読み漁り、今でも毎日将棋情報局のサイトやTwitterをチェックするほど棋書が好きです。そんななかでアンバサダー募集の記事に是非やってみたいと思い応募したところ、今回選んで頂き大変うれしく思います。

今回のレビューですが、主にアマチュアの将棋プレイヤーの棋力向上という点に主眼をおいて書いていきたいと思います。

本書の著者である佐々木大地七段、増田康宏七段は各棋戦で高勝率、好成績を残すだけではなく、新型相掛かり、対矢倉戦での雁木、対振りにおける様々な新工夫などプロ棋界の流行を創っている現代将棋のキーマンと言えます。その二人の共著ということで、お話を頂いた時には私の棋力で読んで理解できるか不安でしたが、実際に読んでみると、とても読みやすく勉強になる一冊でした。一言で言うならば、「すべての将棋ファンのための現代将棋解体新書」といったところでしょうか。「現代将棋」をテーマにした本は多くありますが、どれも内容が難解になりがちでかつ硬い内容のものが多いですが、この本はその問題点を克服した一冊となっています。

とにかく読者への配慮が行き届いた構成で1つの局面に対して見開き1ページで結論を出す、実戦的な形勢判断と戦型選択、読みやすい対話形式という点で革新的な本だと思いました。見開きで結論が出るのでページを行き来する必要がなく、「元の局面どんなのだったっけ?」といったことがありません。脳内将棋盤の有無や棋力に関わらずどんどん読み進められると思いました。テーマ図の選定も、特に対振り飛車ではアマチュアに配慮して様々な形を解説しています。「横歩取り指せないからこの局面に出来ない……」など、他戦型との兼ね合いで指せないことがあると思いますがそのような人にも使えるような有力な手順も多く取り扱っているのが有難いです。結果図における形勢判断もAIの評価値ではなく、人間的な感覚(勝ちやすさ)を重要視していてとても納得できます。そしてなんといってもお二人の会話が心地よい。歯に衣着せぬ増田節が全開で、それに対して佐々木先生が女房役として最高で対談本としても価値があると思いました。



居飛車党のお二人の本なので基本的に居飛車視点で解説されていて居飛車党であれば必携の一冊。対抗形での解説では最善を尽くせば居飛車有利の結論ではありますが、アマチュアで流行している各種急戦、ミレニアムなどについては振り飛車のやれる有力な構想が解説されているので振り飛車党も必携の一冊ということで、すべての将棋ファンが買うべきだと思いました。



もしまだ購入を迷っているなら是非お二人の「まえがき」を読んでみてください。多くの方が、現代将棋やプロの序盤に対する印象が変わると思います。とにかく最初から最後まで大満足でした。
拙く長い文章でのレビューでしたが最後までお読みいただきありがとうございました。最後にこのような機会をくださったマイナビ出版様、著者である佐々木大地先生と増田康宏先生に感謝申し上げ、私のレビューとさせていただきます。




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