藤井竜王が羽生九段を破る 第43回将棋日本シリーズ JTプロ公式戦|将棋情報局

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藤井竜王が羽生九段を破る 第43回将棋日本シリーズ JTプロ公式戦

将棋界のトップ棋士12名が参加する選抜棋戦、第43回将棋日本シリーズ JTプロ公式戦(協賛:日本たばこ産業株式会社)、9月23日(金・祝)は2回戦の藤井聡太竜王―羽生善治九段戦が行われました。結果は67手で藤井竜王が勝ち、準決勝へ進出しました。

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本局は藤井竜王の先手から、横歩取りとなりました。藤井竜王が「青野流」と呼ばれる形に進めたのに対し、羽生九段は5二玉型で金銀を自玉に連結させました。28手目の△6二銀で前例が無くなっています。

38手目△4四角は先手の飛車に働きかけた一着ですが、対して▲3二飛成と竜を作ることを許すのですから大胆な手とも言えます。ただここで▲3二飛成は△2二金▲3四竜と後手陣から竜を追い出され、△8五桂と先攻される展開になるので、これは先手が面白くないでしょう。藤井竜王は▲8七金と、こちらも飛車に働きかけます。以下△3五角▲7六金と飛車を取り合って飛車交換になりました。

羽生九段はここで△8九飛と打ちました。3五の角取りを放置しての打ち込みですから、驚きです。角を取られる間に先手陣を攻略する狙いと言えます。

ただ、ここで角損を許すのはやはり大きかったようです。藤井竜王が敵陣に飛車を下ろしている間に、羽生九段はと金を作って攻め合いの姿勢を見せますが、先手玉の右辺は広く、捕まえるのが大変です。対して藤井竜王は55手目の▲4五角が詰めろ金取りの絶好手となり、これが決め手でした。最後は即詰みに打ち取って、藤井竜王が準決勝進出を決めました。

将棋日本シリーズのベスト4は永瀬拓矢王座―斎藤慎太郎八段、藤井竜王―稲葉陽八段という組み合わせになりました。藤井竜王と永瀬王座は準優勝の経験がありますが、ベスト4のメンバーは誰が制しても初優勝です。今回のトーナメントの行方は果たしてどうなるでしょうか。

羽生九段を破り準決勝進出を決めた藤井竜王(写真はお~いお茶杯第63期王位戦七番勝負第5局のもの 提供:日本将棋連盟)

相崎修司(将棋情報局)

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