永瀬王座の4連覇か、豊島九段の無冠返上か 第70期王座戦第1局は角換わりに|将棋情報局

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永瀬王座の4連覇か、豊島九段の無冠返上か 第70期王座戦第1局は角換わりに

永瀬拓矢王座に豊島将之九段が挑戦する、第70期王座戦五番勝負(主催:日本経済新聞社、日本将棋連盟)の第1局が、8月31日(水)に東京都港区「グランドプリンスホテル新高輪」で行われています。開幕戦なので、永瀬王座の振り歩先による振り駒が行われ、永瀬王座の先手となりました。

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前期の王座戦は永瀬王座に木村一基九段が挑戦。第1局は木村九段が制しましたが、第2局から永瀬王座が3連勝して防衛、王座戦3連覇を達成しました。そして永瀬王座の連覇が始まった第67期の挑戦者決定戦で永瀬王座に敗れたのが豊島九段です。豊島九段は第62期が王座初挑戦。この時は羽生善治王座(当時)に2勝3敗で惜敗しました。その後、第63期と第67期の挑戦者決定戦で敗戦。今期は8期ぶり2度目の王座挑戦となります。

両者の過去の対戦成績は永瀬王座の10勝9敗2持将棋。そしてタイトル戦番勝負でぶつかったのは過去に1度ですが、そのシリーズはまさに死闘というにふさわしいシリーズでした。2年前の第5期叡王戦ですが、千日手と持将棋が相次ぎ、七番勝負(当時)にも関わらず第9局まで(千日手局を含めると10局)もつれて豊島九段が制するという、前代未聞のシリーズでした。その叡王戦以降、両者は7局(永瀬王座の4勝3敗)指していますが、この7局も平均手数が130を超えるという熱闘が続いています。

戦型をとみると、前述の叡王戦では角換わり、横歩取り、矢倉、相掛かりと色とりどりでしたが、直近の対戦では3局続けて相掛かりが指されていました。

9時から始まった対局は角換わりになりました。すらすらと指し手が進み、永瀬王座が桂を素早く跳ね出して開戦しました。戦いは進み、永瀬王座が角を打ち込み飛車を切り飛ばして攻勢を取ります。永瀬王座の攻め、豊島九段の受けという構図になりました。昼食休憩の局面で、早くも終盤の入口と言ってもよいような緊迫した局面になっていますが、おそらく両対局者とも十分な準備のある形でしょう。

永瀬王座が4連覇へ向けて幸先のいいスタートを切るか、豊島九段が無冠返上への第一歩へ踏み出すか、開幕戦から目を離せません。

対局開始直後の様子。永瀬王座(左)と豊島九段はすらすらと角換わりに進める

相崎修司(将棋情報局)

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