藤井王位が1勝1敗のタイに戻す お~いお茶杯第63期王位戦第2局|将棋情報局

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藤井王位が1勝1敗のタイに戻す お~いお茶杯第63期王位戦第2局

藤井聡太王位へ豊島将之九段が挑戦する、お~いお茶杯第63期王位戦七番勝負(主催:新聞三社連合、日本将棋連盟)の第2局が7月13・14日(水・木)に北海道札幌市の「ぬくもりの宿ふる川」で行われました。結果は99手で藤井王位が勝利し、七番勝負の成績をタイに戻しました。

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■思い切った攻め

本局は藤井王位の先手で角換わりに進みます。お互いに研究の範疇ということもあり、序盤は両者ともにほとんど持ち時間を使わずに指し進めていきます。前例から離れたのが47手目、藤井王位が端の歩を突いた局面です。「開戦は歩の突き捨てから」という格言もありますが、藤井王位はバシバシと自らの歩を突き捨てていきました。数手後の香車走りが思い切った一着。端の歩を突き捨てた狙いは1歩を持ち駒にするこの香車走りにあった訳ですが、香車をすぐに取られて駒損になるので、成算がないと指しにくい順です。

■大長考、そして

この手を見て豊島九段は深い長考に沈みました。1日目の昼食休憩を挟み、実に2時間55分の長考の末、香を取りました。香を取る手自体はプロアマ問わず誰でもこう指すところですが、この当然の一手にこれだけの時間を掛けるところに、この勝負の重みと迫力が感じられます。

ここで方針を定めた豊島九段は、続いて飛車取りに香を成り込んで、藤井王位の飛車の進退を問います。ほどなく1日目が終了して封じ手となりました。

■藤井王位の猛攻

2日目、開封された藤井王位の封じ手は持ち駒の桂を王手銀取りに打つ一着。以下も先手は攻めを続けます。自陣の飛車が取られそうですが、藤井王位は見向きもしません。ならば豊島九段は、飛車を取って駒得を主張して受けに回るよりありません。第1局とは逆に、藤井王位の猛攻を豊島九段がどう受け止めるか、という展開になりました。

しかし藤井王位の攻めは的確でした。左右挟撃態勢を作って、徐々に先手の優位がはっきりします。豊島九段も必死に先手玉へ迫りますが、彼我の玉の安全度を見切って、藤井王位が後手玉の退路封鎖に打った桂馬が好手でした。上部脱出の望みも絶たれた豊島九段が99手で投了。七番勝負はまず、両者がともに先手番をキープする形で1勝1敗となりました。どちらが先に後手番をブレイクするかというのが勝敗を分けそうです。

第3局は7月20・21日(水・木)兵庫県神戸市「中の坊瑞苑」で行われます。夏の熱い勝負から、目が離せません。

快勝で対戦成績をタイに戻した藤井王位(提供:日本将棋連盟)

相崎修司(将棋情報局)

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