里見女流四冠が挑戦権獲得、第15期マイナビ女子オープン|将棋情報局

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里見女流四冠が挑戦権獲得、第15期マイナビ女子オープン

ピンチをしのいでからはイナズマの寄せで勝利

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西山朋佳女王への挑戦権を争う第15期マイナビ女子オープン(主催・マイナビ)の挑戦者決定戦、里見香奈女流四冠―山根ことみ女流二段戦が3月11日に行われました。結果は92手で里見女流四冠が勝ち、西山女王への挑戦権を獲得しました。

アクロバティックな手順で山根女流二段がリード

本局は振り駒の結果、山根女流二段の先手番となって相振り飛車に進みます。向かい飛車に振った山根女流二段に対して、里見女流名人は中飛車からさらに飛車を4筋に転回し、こちらの筋からの攻めを見せました。この転回に対して▲8四歩△同歩▲同飛と1歩を手にしてから▲8六角と飛車に当てるという、積極的な手順を山根女流二段は見せます。この進行は中段にいる状態の先手の飛車が狭いのが懸案事項なのですが、里見女流四冠の追い方に誤算もあって、中盤では山根女流二段が形勢をリードします。里見女流四冠の銀が捕まってしまい、その代償を必死に求める展開になりました。

一気の逆転

ですが、51手目の▲7五歩がもったいない疑問手。ここは平凡ですが、▲4五歩と銀を取る順でよかったのです。△同飛と取られた形は後手の飛車が横によく利いているので、▲7五歩はそれを牽制した意味もあったのですが、△4六銀▲同銀△同飛と、取れる銀が銀交換となってしまったのはやはり大きかったようでした。

ピンチを脱した里見女流四冠は、ここからさすがともいうべき力を披露します。58手目の△5七歩が手筋ともいうべきタタキで、先手はどう応じても味が悪くなります。実戦は▲同金と取りましたが、これで先手玉の横が空きました。以下、飛車の取り合いとなってから王手に打ち込んだ△8八飛が厳しく、後手の優勢が明らかになっていきます。最後は78手目の△4五桂が決め手となり、里見女流四冠が挑戦権を得ました。

里見女流四冠の女王挑戦は第12期以来で、通算では3度目となります。タイトル47期を誇る里見女流四冠ですが、意外なことに女王はこれまで1期しか獲得していません。そして迎え撃つ西山女王は現在4連覇中。今期は5連覇による「永世女王」の称号が懸かっています。4月から始まる五番勝負にも注目です。

3年ぶりの挑戦権を獲得した里見女流四冠

相崎修司(将棋情報局)

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