『絆―棋士たち 師弟の物語』のちょっとした裏話|将棋情報局

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『絆―棋士たち 師弟の物語』のちょっとした裏話

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皆さん、こんにちは。編集部員の鈴木健二と申します。

私がおススメする将棋書籍は『絆―棋士たち 師弟の物語』(野澤亘伸:著)です。

ここではちょっとした裏話をご紹介いたします。

まずは企画段階の話で、「『将棋世界』に連載した〈師弟〉を書籍化したいと思います。よろしいでしょうか?」という内容を、ご登場いただく棋士の方々にメールやお手紙で送付しました。

すると、ほぼ全員の先生から「はい。もちろんOKです」というご快諾のお返事。
「師弟の取材は自分にとっても大変よい思い出になりました。野澤様に、よろしくお伝えください」(畠山鎮八段)といったように、ご丁寧な文面の先生が多かったです。

ところが、お一人だけ、少し違ったお返事の先生がいらっしゃいました。広瀬章人八段のご師匠・勝浦修九段です。

お電話を差し上げたところ、「えー、あれを本にするの? 恥ずかしいから、俺の分は載せなくていいよ」とのお返事。

(私)「そんなことをおっしゃらず、ぜひお願いします!」
(勝浦先生)「広瀬のところだけ、出せばいいんじゃない?」
(私)「それでは師弟になりません(笑)」

ご存じの方も多いかと思いますが、勝浦先生は冗談がお好きで、お話がとても面白いのです。
何度かお酒の席にご一緒させていただいたこともあり、そのときの楽しい思い出が脳裏をよぎりしました。

すぐに、「まあ、ほかの皆さんがOKなら仕方ないか。ギャラは弾んでくれよな(笑)」とおっしゃってくださり、無事に出版が決まったのでした。


次は制作過程のお話です。書籍化するにあたって加筆した部分もあるので、改めて各先生に内容のご確認をお願いしました。

すると中田功八段から、少し直してほしいと連絡があったのがこちらの一文。

「競馬、競輪、麻雀。ゲームと呼べるものには、天性の才があった」

(中田先生)「いや、これを先ちゃん(先崎九段)に読まれたら、笑われてしまいます。いつも(麻雀で)負けていましたから(笑)」

ということで、とてもかっこいい一文だったのですが、表現を少し和らげて、「才能があった」に修正しています。


勝浦先生や中田先生とお電話できる喜び。編集部員をやっていてよかったと思う瞬間です。


本書にはこれまで明かされることのなかった棋士のエピソードが、野澤氏の徹底取材によって語られています。
ぜひ、ご一読いただきたいと思います。 お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
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