2021.10.04
王将リーグの▲藤井聡太三冠-△広瀬章人八段戦が進行中 戦型は相掛かり
両者の対戦成績は藤井三冠の4勝1敗
第71期ALSOK杯王将戦(主催:スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社)の挑戦者決定リーグ、▲藤井聡太三冠(1勝0敗)-△広瀬章人八段(1勝0敗)戦が10月4日に東京・将棋会館で行われています。連勝スタートを決め、挑戦権獲得に前進するのは果たしてどちらになるでしょうか。
第71期ALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグ表
これまでの両者の対戦成績は藤井三冠の4勝1敗。初対決は2018年2月の第11回朝日杯将棋オープン戦決勝で、藤井聡太五段(当時)が勝利して棋戦初優勝を飾りました。その後2局は王将リーグでの対戦。第69期では勝てば挑戦権獲得という大一番で対戦し、広瀬八段が制しました。第70期は藤井二冠(当時)が勝利しましたが、最終的には両者3勝3敗の同成績となり、順位の差で広瀬八段はリーグ残留、藤井三冠がリーグ陥落と明暗が別れました。
今年に入ってからは第34期竜王戦ランキング戦2組と第6期叡王戦段位別予選八段戦決勝の2度対戦していて、どちらも藤井三冠が勝利しています。藤井三冠はその後、叡王を奪取、竜王戦では挑戦者になっており、どちらも大きな勝利だったと言えそうです。
リーグ戦のため先後があらかじめ決まっている本局は、藤井三冠が先手番で相掛かりの戦型になりました。
相掛かりは大きく分けると、飛車を中段に構え、桂を武器に戦う形と、飛車を下段に引き、銀を繰り出していく形とが現代の主流です。本局、藤井三冠は後者を選択。今年対戦した2局とも、藤井三冠は先手番で引き飛車を採用しており、3局続けて同系統の将棋になっています。
この形はすぐに乱戦になる展開にはなりにくく、じっくりとした戦いが繰り広げられることが多いのですが、本局は藤井三冠が33手目に7筋から相手の桂頭を早くも攻めていきました。ここは自身の桂頭でもあるため、強気の順。持ち時間の使い方を見るに、用意してきた仕掛けなのでしょう。
持ち時間が4時間の本局は本日夕方から夜の決着見込みです。
対局開始時の藤井三冠(右)と広瀬八段(提供:日本将棋連盟)