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藤井聡太二冠、圧倒的な切れ味の攻めで行方尚史九段を破る 第6期叡王戦本戦1回戦

藤井二冠は叡王戦で初のベスト8進出。次局は永瀬拓矢王座と佐々木勇気七段の勝者との対戦

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将棋の第6期叡王戦(主催:株式会社不二家)本戦トーナメント1回戦、▲行方尚史九段-△藤井聡太二冠戦が5月17日に東京都「シャトーアメーバ」で行われました。結果は80手で藤井二冠が勝利し、自身初のベスト8に進出しました。

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第6期叡王戦本戦トーナメント表

本局は振り駒の結果、行方九段が先手番になりました。矢倉に組もうとする行方九段に対し、藤井二冠は急戦模様の駒組み。これを受けて行方九段は飛車先の歩を交換し、横歩を取って力戦調の戦いにシフトチェンジしました。

先手が飛車の動きに手数を費やした分、後手の藤井二冠は陣形の整備に手を回すことができました。両桂を跳ねて攻めの形を整え、金銀を自陣にバランス良く配置して決戦の準備は完了です。

40手目に藤井二冠が△2五桂と跳ねて、戦いが始まりました。そして以下終局に至るまで、藤井二冠の流れるような攻めを見るばかりとなりました。

桂交換を果たした藤井二冠は、今度は右桂を△6五桂と跳ねて敵陣に攻めかかりました。相手の守りの銀を6筋に移動させてから、守りが手薄になった8筋を飛車と持ち駒の桂を使って攻めていきます。

玉が7九にいる行方九段は、8筋を突破されるとひとたまりもありません。金・桂・歩を駆使して何とか相手の攻めを食い止めようとします。そしてようやく飛車の利きを止められたかに見えた局面が、本局のクライマックスでした。

藤井二冠はまず△3六歩と垂らして行方陣の金銀の連結を崩します。さらに△5五歩と桂取りに歩を突いて、6六の銀を5五へと誘導。そして最後に突いた△7五歩で大勢が決しました。

一見遅そうに見えるこの歩突きが絶妙手。8六の桂が取られてしまう上に、この後△7六歩~△7七歩成と2手かける必要のある攻めです。しかし、この2手が間に合うと見切ったのが素晴らしい判断でした。

以下行方九段は粘りましたが、最後は自陣で眠っていた飛車まで働かせる完璧な手順で藤井二冠が行方玉を寄せ切りました。桂・歩を用いた攻めが印象的な、藤井二冠の会心譜と言える一局でした。

この勝利で藤井二冠は叡王戦本戦で初勝利。高勝率を残している藤井二冠にとって叡王戦本戦1回戦は難所となっていました。第3期から参加し、3、4期では本戦1回戦で敗退。参加4期目で初のベスト8進出です。

藤井二冠の2回戦の対戦相手は、本日18日に行われている▲永瀬拓矢王座-△佐々木勇気七段戦の勝者。どちらが勝ち上がっても楽しみなカードです。

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驚異的な強さで勝利を収めた藤井二冠(提供:日本将棋連盟)

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