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第79期順位戦Ｂ級１組９回戦（主催：毎日新聞社・朝日新聞社）が12月３日に東西の将棋会館で行われました。Ｂ級１組は13名のリーグ戦で、昇級者２名、降級者３名を１年をかけて決めます。

３日の９回戦の対戦カードと結果は以下の通りです（左が勝者）。阿久津主税八段は８回戦抜け番でした。

〇山崎隆之八段－行方尚史九段
〇永瀬拓矢王座－久保利明九段
〇郷田真隆九段－丸山忠久九段
〇近藤誠也七段－千田翔太七段
〇木村一基九段－松尾　歩八段
〇屋敷伸之九段－深浦康市九段

９回戦終了時点での各棋士の成績は画像の通りです。

９回戦までの成績順のリーグ表。山崎八段が初のＡ級昇級へ快走中

唯一の１敗で単独首位に立っている山崎八段は行方九段と対戦。相矢倉の将棋から、山崎八段は穴熊に潜りました。10年ほど前まではよく見られた手法ですが、バランスを重視する構想が多い近年では珍しい構想です。

がっちりと金銀３枚の穴熊に組んだ後は、攻めるだけ。攻めが途切れたら負けという展開です。山崎八段は飛車を捨て、駒損ながらも行方玉に迫ります。そして最後は自陣の歩を突いて王手をかけるぴったりの一手で、行方玉を寄せ切って勝利。最終的には盤上の攻め駒は竜・金・歩の３枚だけ。穴熊の固さを存分に生かした将棋でした。

この勝利で山崎八段は７勝１敗の成績となりました。

山崎八段を追走する、永瀬王座は久保九段に勝利し７勝２敗。郷田九段も丸山九段戦を制して６勝２敗としています。順位が郷田九段より良く、すでに７勝目を挙げている永瀬王座が一歩リードといったところでしょうか。

なお、郷田九段はこの勝利が公式戦通算900勝目となりました。

来年３月に行われる最終13回戦で山崎八段と郷田九段の対戦が組まれています。この将棋で勝った方が昇級、という鬼勝負が見られるかもしれません。

８回戦終了時点では３人いた３敗者は、近藤七段のみが勝利を挙げています。今期Ｂ級１組に昇級してきたばかりの近藤七段。開幕３連敗から５連勝と調子を上げています。しかし順位が最下位のため、上位３人が崩れないと厳しい情勢の上、もう負けられません。

今期から降級枠が３つになり、降級争いは熾烈さを増しています。順位にもよりますが、残留には４勝では心もとないでしょう。

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