将棋情報局

斎藤慎太郎八段が羽生善治九段を破って4連勝! 名人挑戦へ視界良好 第79期A級順位戦

斎藤八段が横歩取り勇気流を採用して勝利。羽生九段は1勝3敗に

第79期A級順位戦(主催:毎日新聞社・朝日新聞社)の4回戦、▲斎藤慎太郎八段-△羽生善治九段戦が10月1日に関西将棋会館で行われました。A級初参加ながらここまで3連勝の斎藤八段が連勝を伸ばすのか、それとも1勝2敗の羽生九段が成績を五分にするのか。注目の一戦は111手で斎藤八段が勝利を収めました。

横歩取りの将棋となった本局。斎藤八段は17手目に▲6八玉と上がる「勇気流」を採用しました。代えて▲5八玉と立つ「青野流」が近年の主流でしたが、「青野流」には後手にも有力な対策が生まれつつあります。先日の王将リーグ▲藤井聡太二冠-△羽生善治九段戦も藤井二冠の「青野流」を羽生九段が破った将棋でした。

一方の「勇気流」はまだ実戦例も少なく、未開拓な部分の多い戦型です。佐々木勇気七段が2015年から指し始め、得意とすることから「勇気流」と名付けられています。5年前に登場した戦型ですが、最近ではあまり見かけなくなっています。その訳は作戦が優秀ではなかったとか、勝率が悪かったからというものではありません。「青野流」の勝率がずば抜けていたこと、それにより棋士の興味が「青野流」に傾いたことがその理由です。

「青野流」栄華の時代が終わりを迎えようとしている現在、「勇気流」がこれから再流行する可能性は十分にあるでしょう。

本局は飛車で歩を取り合った後に角を打ち合い、駒組み合戦となりました。相振り飛車のような形から両者銀で飛車を圧迫していきます。先に飛車を入手したのは羽生九段でした。敵陣に飛車を打ち下ろしますが、斎藤八段は手持ちの金をがっちりと受けに投入して崩れません。

羽生九段が1筋の端攻めを狙う間に、斎藤八段は自陣の桂を活用。桂交換から飛車取りに桂を打ちます。これで羽生九段の飛車を取ることに成功しました。金銀4枚が自陣にいる斎藤陣は飛車を打ち込まれてもびくともしませんでしたが、羽生陣は守りの金駒が実質銀1枚。飛車の打ち込みにすこぶる弱く、斎藤八段が飛車を入手したことで大勢が決しました。

斎藤八段は詰めろで飛車を敵陣深くに打ち込みます。羽生九段は9分考え、もはや受けが利かないと判断。詰めろを受けずに形を作りました。そして、111手目の▲4一銀の王手を見て、羽生九段が投了。斎藤八段の勝利となりました。

これで斎藤八段は4連勝。リーグ唯一の全勝をキープしています。ここ数年はB級1組から昇級してきた棋士の好調が目立っており、過去5期で佐藤天彦八段(74期)、稲葉陽八段(75期)、渡辺明三冠(78期)と、5期で3人も挑戦権を勝ち取っています。彼らに斎藤八段も続くことができるでしょうか。

一方、敗れた羽生九段は1勝3敗の成績に。開幕戦は勝利したものの、そこから3連敗。早く連敗を止めないと、降級の2文字がちらついてきてしまいます。

20201002.jpg
連勝を伸ばし、名人挑戦へまた一歩前進した斎藤八段


将棋情報局では、お得なキャンペーンや新着コンテンツの情報をお届けしています。