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藤井聡太七段、初戴冠なるか!? 棋聖戦五番勝負第3局は7月9日対局

渡辺明三冠相手にここまで2勝0敗 勝てば17歳タイトルホルダーの誕生

渡辺明棋聖(棋王・王将)に藤井聡太七段が挑む将棋のタイトル戦、第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局(主催:産経新聞社)が7月9日に東京都「都市センターホテル」で行われます。ここまでは挑戦者の藤井七段が2連勝。タイトル獲得にあと1勝と迫っています。若き天才がまた一つ記録を塗り替え、歴史的な日となるのでしょうか。それともタイトル獲得25期の大棋士、渡辺棋聖が意地を見せるのでしょうか。

 

【ここまでの五番勝負の戦い】

第1局(6月8日)

振り駒で先手番となった藤井七段の戦型選択は矢倉でした。藤井七段が先手で矢倉を指すのは珍しく、渡辺棋聖は意表を突かれたと振り返っています。

本局は最終盤まで互角の形勢が長く続く、難しい戦いでした。藤井七段の攻めに対する渡辺棋聖の応手に問題があり、形勢が動いたのは実に108手目。ここまで均衡のとれた将棋は珍しいです。

勝勢になった藤井七段の最後の試練は、渡辺棋聖の王手ラッシュでした。1通りしかない逃れ手順を正確に指し、16手の連続王手から逃げ切りました。

第2局(6月28日)

この将棋は圧巻の内容でした。先手の渡辺棋聖の急戦矢倉に対し、後手の藤井七段が新手「△5四金」を披露。四段目に金銀3枚を並べ、全力で先手の攻めを受け止めるという構想が素晴らしく、後手が作戦勝ちになりました。

その後、渡辺棋聖の攻めに対し、受けの絶妙手「△3一銀」で優位を確かなものにした藤井七段が、危なげない内容で完勝。局後に渡辺棋聖が自身のブログで「いつ不利になったのか分からないまま、気が付いたら敗勢、という将棋でした。」(渡辺明ブログ)と記したのも話題となりました。

 

【勝ちまくる藤井七段】

今年度の藤井七段は誰にも止められない活躍ぶり。未放映のテレビ対局を除くと、ここまで12勝1敗です。対戦相手は実力者揃いで、舞台も大きなものばかり。対局日が古い順に並べると以下の通りです。

竜王戦ランキング戦3組 千田翔太七段 勝
王位戦挑戦者決定リーグ白組 菅井竜也八段 勝
棋聖戦挑戦者決定トーナメント 佐藤天彦九段 勝
棋聖戦挑戦者決定戦 永瀬拓矢二冠 勝
棋聖戦五番勝負第1局 渡辺明棋聖 勝
王座戦二次予選 大橋貴洸六段 負
王位戦挑戦者決定リーグ白組 阿部健治郎七段 勝
竜王戦ランキング戦3組決勝 杉本昌隆八段 勝
王位戦挑戦者決定戦 永瀬拓矢二冠 勝
順位戦B級2組 佐々木勇気七段 勝
棋聖戦五番勝負第2局 渡辺明棋聖 勝
王位戦七番勝負第1局 木村一基王位 勝
順位戦B級2組 橋本崇載八段 勝

大橋六段に敗れたのみで、タイトルホルダー、A級棋士などを次々と破っています。いまだタイトル戦では負けなし。このまま一気にタイトルを獲得してしまうのでしょうか。

 

【ストレート負けは一度もない渡辺棋聖】

崖っぷちに立たされた渡辺棋聖ですが、これまで戦った34回のタイトル戦では一度もストレート負けを喫していません。過去に渡辺棋聖が最も追い込まれたのは、2008年の第21期竜王戦七番勝負でした。このシリーズは初代永世竜王決定戦で、タイトルホルダーの渡辺竜王と挑戦者の羽生善治名人(肩書はともに当時のもの)の勝者が永世竜王になるという戦いでした。渡辺竜王は開幕から3連敗で後がなくなりましたが、そこから4連勝で逆転防衛。将棋界初のタイトル戦3連敗4連勝を成し遂げたのでした。

今期の棋聖戦でも2連敗と追い詰められていますが、竜王戦の再来はなるのでしょうか。

 

【もし藤井七段が勝利すると……】

第3局で藤井七段が勝利し、タイトルを獲得すれば、史上最年少タイトル獲得記録を更新することになります。従来の記録は屋敷伸之九段の持つ18歳6カ月。これを大幅に上回る、17歳11カ月の記録が打ち立てられます。藤井七段の誕生日は7月19日のため、仮に第3局に敗れたとしても16日に行われる第4局で勝利すれば、17歳タイトルホルダーの誕生となります。

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初タイトルまであと一歩に迫る藤井聡太七段(写真は第2局終局後のもの)【提供:日本将棋連盟】


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