将棋情報局

強すぎる17歳、藤井聡太七段が2つ目のタイトル挑戦を決める! 第61期王位戦挑戦者決定戦

永瀬拓矢二冠相手に快勝! 木村一基王位との七番勝負に臨む

木村一基王位への挑戦権を懸けた、第61期王位戦挑戦者決定戦(主催:新聞三社連合)、▲藤井聡太七段-△永瀬拓矢二冠戦が6月23日に東京・将棋会館で行われました。棋聖戦挑戦者決定戦以来2度目の対決を制したのは、またしても藤井七段でした。

振り駒で先手番となった藤井七段は、得意の角換わりを選択。しかし、最も指しなれている腰掛け銀ではなく早繰り銀を採用しました。早繰り銀は永瀬二冠の得意戦法。相手の得意分野に飛び込んだ形です。

昼食休憩明け直後、藤井七段の手が止まりました。まだ中盤の入り口の局面ですが、一局の方針を決める大事な場面とみたのでしょう。こんこんと考え続けること1時間36分、ようやく放たれたのは、相手の攻撃陣をけん制する角打ちでした。一方の永瀬二冠は攻撃に重きを置いた角打ちで応戦。永瀬二冠の攻め、藤井七段の受けという構図で局面が進行します。

永瀬二冠は歩を駆使して藤井陣に攻めかかります。まずは歩を垂らして藤井玉から守りの金を遠ざけ、角の利きを生かして端から突破を図りました。端で戦いが起きているのでついついそちらにばかり目が行ってしまいますが、藤井七段は違いました。先ほど遠ざけられてしまった金をじっと玉側に寄せたのです。相手の攻めを呼び込んでも大丈夫とみた一着。藤井七段の卓越した大局観がうかがえます。

端攻めから馬を作り、取った桂を角取りに打って、永瀬二冠が好調なように見えました。しかし、角取りを無視して飛車取りに桂を打ち返したのが藤井七段の好手でした。ここでも先ほどの金寄りが光っていました。大駒を取り合った後に、桂の利きから金をあらかじめ逃していたのです。当然、ここまで読んだ上での着手だったのでしょう。

飛車角交換に成功した藤井七段は、その飛車を敵陣に打ち込みます。永瀬陣は飛車の打ち込みに弱い形。永瀬二冠は角を自陣に打って抵抗しますが、歩を効果的に活用して藤井七段が攻めをつなげます。飛車は取られたものの、と金と桂が永瀬玉に迫って優勢を築きました。

永瀬二冠も馬を作って反撃に出ますが、藤井七段は冷静に玉を逃がして勝負あり。安全地帯にまで逃げ込んだ後に電光石火の攻めでたちまち永瀬玉を寄せ切ってしまいました。

永瀬二冠を寄せ付けない、完勝と言っていい内容で挑戦者決定戦を制した藤井七段は王位戦七番勝負へ進出。棋聖戦と並行する形のダブルタイトル戦に挑むことになりました。

藤井七段の挑戦を受けて立つのは、木村王位です。昨年、7度目のタイトル挑戦でついに初タイトルの王位を獲得。46歳での初タイトル獲得は、これまでの37歳を大幅に更新する最年長記録でした。四段昇段は23歳のとき。藤井七段とは対照的な苦労人です。

最年長初タイトル獲得記録保持者の木村王位と、最年少タイトル獲得記録に挑戦中の藤井七段とで争われる、第61王位戦七番勝負は7月1、2日に愛知県「ホテルアークリッシュ豊橋」で行われます。

20200624.jpg
早くも2つ目のタイトル挑戦を決めた17歳の藤井聡太七段(代表撮影:日本将棋連盟)


将棋情報局では、お得なキャンペーンや新着コンテンツの情報をお届けしています。

著者