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棋士が考える、最も重要な将棋の格言とは

将棋の格言はテクニックを端的に述べたもの。棋士が一番役立つと考える格言をアンケートからご紹介します。

将棋にはたくさんの格言があります。格言は将棋を指す上での方針を示す言葉が多く、将棋を指す上で大切なことを教えてくれます。 というわけで『将棋年鑑2017 棋士名鑑アンケート』の「一番役立つ将棋の格言は?」の回答を一部ご紹介します。(以下カッコ内敬称・肩書略)

 

一番多かった回答は「一歩千金」

一歩千金(羽生善治)
一歩千金(三浦弘行)
一歩千金(北浜健介)
一歩千金(中田功)

ほか

文字通り、一枚の歩にも大きな価値があるという意味です。歩がなければ歩の手筋も使えません。たかが歩と思うことなかれということですね。同じような意味の「歩のない将棋は負け将棋」と言う格言も多く回答を頂きました。


2番目は「玉の早逃げ八手の得あり」

玉の早逃げ八手の得あり(中川大輔)
玉の早逃げ八手の得あり(村山慈明)
玉の早逃げ八手の得(斎藤慎太郎)
玉の早逃げ八手の得(実際八手も得しないが1、2手得をして遠くなったなと実感することが多い)(稲葉陽)

ほか

これは言葉通りの意味ですね。稲葉八段の言う通り八手得することは流石にありませんが、それくらい玉を早めに逃げておく手は良い手になりやすいと言うことを強調しています。


次に多かったのは「終盤は駒の損得よりスピード」

終盤は駒の損得よりスピード(山崎隆之)
終盤は駒の損得より速度(真田圭一)
終盤は駒の損得より速度(戸辺誠)
終盤は駒の損得より速度(勝又清和)

ほか

中盤では駒の損得が大切ですが、終盤ではそれよりも寄せのスピードが大切と言うことですね。どこから終盤なのかと言う感覚はなかなか難しいところ。ちなみに「駒得は裏切らない」で有名な森下卓九段の回答は「居玉は避けよ」でした。

 

どんどん行きます。次は「玉は包むように寄せよ」

玉は包むように寄せよ(森内俊之)
玉は包むように寄せよ(中村太地)
玉は包むように寄せよ(高見泰地)
玉は包むように寄せよ(三枚堂達也)

ほか
一方向から玉を追っていくとなかなか捕まえるのが難しいと言う意味の格言です。これと近い意味の「王手は追う手」の回答もありました。


ここからは少数回答を紹介します。


玉は下段に落とせ(久保利明)
玉は下段に追え(北島忠雄)

玉は上に逃がすと捕まえるのが難しいので下段に落として詰ませようと言う意味です。同様の格言に「中段玉寄にくし」があります。

玉飛接近すべからず(小林宏)
玉飛接近すべからず(豊島将之)

接近すると両取りをかけられたりして危険ということです。玉飛に限らず価値の高い駒同士を(飛角など)を近づけると危険になることが多い印象です。

と金は金で金以上(中座真)
と金は相手に渡しても歩となるため、金より強い攻め駒だと言うこと。と金と持ち駒交換したくないですよねー。

最後は安用寺孝功六段です。

二歩に注意(安用寺孝功)
安用寺六段は相手に二歩を指されて気づかなかったことがあります。その戒めの言葉なのかもしれませんね。

 

以上、役立つ格言のアンケート結果でした。このほかにも格言はたくさんあるので、調べてみると面白いですよ。

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最も役立つ格言は「一歩千金」と回答した羽生善治九段


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