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藤井聡太七段が全勝者対決を制して4連勝 王位戦挑決リーグ白組

菅井竜也八段との3戦全勝同士の対決を制する。あと2勝で挑戦権獲得

第61期王位戦挑戦者決定リーグ白組(主催:新聞三社連合)の▲菅井竜也八段-△藤井聡太七段戦が、4月10日に関西将棋会館で行われました。ここまで3連勝同士の対決。勝った方が白組優勝へ大きく近づく大一番を制したのは、藤井七段でした。

藤井七段と菅井八段はこれまで5回対戦しています。最初の2局は菅井八段が連勝したものの、そこから藤井七段が3連勝中です。また、戦型は菅井八段が先手番の際には、初対決から4局連続で先手中飛車対居飛車でしたが、直近の対局では菅井八段が四間飛車を採用しています。

本局では菅井八段が中飛車に振るのか、それとも別の筋に振るのか。注目の初手は▲7六歩。藤井七段は△8四歩。ここで▲5六歩なら中飛車が濃厚でしたが、菅井八段は▲1六歩と端歩を突きました。これは相手の出方をうかがう手で、もし端を受けてくれば穴熊の可能性が減ります。藤井七段は△1四歩と応じました。

これを見て菅井八段は三間飛車を採用。両者の過去の対戦では1局三間飛車の将棋がありますが、それは角交換型でした。本局は角道を閉じた三間飛車なので、このカードでは初登場の形です。

両者美濃囲いに囲って、戦いに備えます。そして31手目、菅井八段が相手の銀取りに歩を突いて戦闘開始です。藤井七段は銀取りを放置して、自らも銀取りに歩を突き返します。両者銀を取り合う激しい展開になりました。

銀を手にした藤井七段は、すぐさまその銀を飛車取りに打ちました。この手が盤面中央を制圧する好手。飛車を抑え込むと同時に5筋に歩の拠点を作って、藤井七段が指しやすい局面となりました。

しかし、相手は元王位でA級棋士の菅井八段です。金銀を藤井七段の玉頭に打って圧力を加え、簡単には差を広げさせません。

やがて、相手の銀が二枚玉頭に並び、ゆっくりしていると押しつぶされそうな局面を藤井七段は迎えます。ここで藤井七段の手は端に伸びました。美濃囲いの弱点を突く端攻めを繰り出したのです。どうやらこの攻めへの菅井八段の対応にミスがあったようで、この端攻めが通り、再び流れは藤井七段に傾きました。

終盤で形勢が良くなった藤井七段の攻めはもう止まりません。飛車香のロケットを設置し、端を突破すると、流れるような攻めで相手の美濃囲いをあっという間に崩壊させてしまいました。上部に脱出しようとする菅井玉を、金でがっちりと押さえ込んで勝負あり。112手で藤井七段が勝利を収めました。

これで藤井七段は4連勝でプレーオフ以上を確定させました。最終戦の阿部健治郎七段との対局に勝利すれば文句なしの全勝優勝。もし敗れても▲羽生善治九段-△菅井八段戦の勝者とのプレーオフとなります。

もし白組を優勝すると、紅組の優勝者との挑戦者決定戦を戦うことになります。紅組は4連勝の永瀬拓矢二冠を3勝1敗の豊島将之竜王・名人が追う展開となっています。

早く最終戦を観たいところですが、しばらくはお預けになります。日本将棋連盟は新型コロナウイルス感染拡大防止策として、対局者の長距離移動を含む公式戦の対局を5月7日以降に延期する処置を取っているからです。

盤上の熱い戦いを我々が観戦できるのも、棋士が万全の状態で対局に臨めるからこそ。対局する棋士も、観戦する我々も、何の心配もなく対局を迎えられる日が早く来てほしいものです。

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4連勝で白組単独首位に立った藤井七段


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