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将棋界ニュース振り返り 2019年10月~12月編

永瀬拓矢叡王が王座獲得! 西山朋佳女流三冠が出場可能棋戦全制覇! 豊島将之竜王・名人誕生!

2019年度も残すところあとわずか。元号が平成から令和に代わるという大きな変化があった1年でしたが、将棋界も激動の1年。タイトル戦は先日渡辺明棋王が防衛するまで、すべて挑戦者の奪取で決着するという、移り変わりようでした。

ここでは2019年度の将棋界ニュースを複数回にわたって振り返っていきます。今回は10月から12月までです。

【10月1日】永瀬拓矢叡王がストレートで王座奪取!

永瀬拓矢叡王が斎藤慎太郎王座に挑戦した、第67期王座戦五番勝負の第3局が10月1日に兵庫県神戸市「ホテルオークラ神戸」で行われました。ここまで2連勝でタイトル奪取に王手をかけていた永瀬叡王が、161手で勝利を収め、初の王座獲得となりました。

5月に初タイトルの叡王を獲得したばかりの永瀬叡王は早くも二冠目を獲得。叡王戦も4連勝での奪取でした。

永瀬二冠の初防衛戦である、第5期叡王戦七番勝負は4月12日から始まります。相手は最強の挑戦者、豊島将之竜王・名人です。初防衛戦を制することができたのは、2017年に行われた第75期名人戦の佐藤天彦名人が最後。それ以降、5人の初タイトル獲得者が現れましたが、いずれも防衛に失敗しています(菅井竜也王位、中村太地王座、高見泰地叡王、豊島将之棋聖、斎藤慎太郎王座)。永瀬二冠はどうなるでしょうか。

【10月20日】池永天志四段が棋戦初優勝! 第9期加古川青流戦

第9期加古川青流戦決勝三番勝負に進出したのは、池永天志四段と服部慎一郎三段でした。1勝1敗で迎えた第3局を制したのは、池永四段。2018年4月にデビューして1年半での嬉しい棋戦初優勝となりました。一方、三段ながら決勝にまで進出した服部三段は、これから約半年後に四段昇段を決めることになります。

【10月28日】高野智史四段が新人王戦で棋戦初優勝! 師匠との記念対局も制する

新人王戦3度目の優勝がかかる増田康宏六段と、棋戦初優勝を目指す高野智史四段の対決となった、第50期新人王戦決勝三番勝負。初戦を落として後がなくなった高野四段でしたが、第2、3局を連勝し、初優勝を果たしました。

新人王戦は優勝者とタイトル保持者とで記念対局(非公式戦)が行われます。高野四段の相手は、もちろん師匠の木村一基王位となりました。師弟対決は12月に行われ、高野四段が勝利。両者はまだ公式戦では対戦がありません。師匠のリベンジとなるのか、それとも弟子が再び制するのか、その日が来るのが楽しみです。

【11月1日】西山朋佳女王が二冠目を獲得! 第41期霧島酒造杯女流王将戦

里見香奈女流王将に西山朋佳女王が挑戦する、第41期霧島酒造杯女流王将戦三番勝負第3局が11月1日に行われました。結果は131手で西山女王の勝利。春に行われた第12期マイナビ女子オープンに続いて、里見女流五冠を連破しました。

【11月17日】渡辺明JT杯覇者が2連覇を達成! 第40回将棋日本シリーズ

タイトル・順位で選抜された上位12名の棋士がトーナメント方式で優勝を争う「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」。半年間に渡り、全国各地で公開対局で行われます。決勝に勝ち進んだのは、前回大会覇者の渡辺明JT杯覇者と広瀬章人竜王。決勝戦は11月17日に行われ、90手で渡辺JT杯覇者が勝利。2年連続3回目の優勝を果たしました。

【11月24日】里見香奈倉敷藤花が防衛に成功! 第27期大山名人杯倉敷藤花戦

里見倉敷藤花が伊藤沙恵女流三段の挑戦を受けた、第27期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負第3局が11月24日に行われました。結果は里見倉敷藤花が伊藤女流三段を116手で破り、防衛に成功しました。

倉敷藤花は里見女流五冠が初めてタイトルを獲得した棋戦です。2008年度の第16期に清水市代倉敷藤花から奪取すると、そこから5連覇。第21期に甲斐智美女流王位にタイトルを奪われてしまいましたが、第23期に甲斐倉敷藤花に雪辱を果たすと、そこから再び5連覇で、獲得合計を10期としています。

【12月4日】西山朋佳女王・女流王将が出場可能タイトルをすべて制する! 第9期リコー杯女流王座戦

里見女流王座と西山女王・女流王将との2019年3度目のタイトル戦となる、第9期リコー杯女流王座戦。その決着局となった、第4局が12月4日に行われました。ここまで2勝1敗の西山女王・女流王将が勝利し、タイトル奪取に成功。3つ目のタイトル獲得となりました。

奨励会三段の西山女流三冠が出場できる女流棋戦はマイナビ女子オープン、リコー杯女流王座戦、霧島酒造杯女流王将戦の3つのみ。それらすべてのタイトルを手中に収めることになりました。

4月7日には第13期マイナビ女子オープンの防衛戦が始まります。相手は加藤桃子女流三段です。加藤女流三段は、2014年の第4期リコー杯女流王座戦五番勝負で西山女流三冠を破っています。今から6年前なので古いデータではありますが、強敵であることは間違いありません。

【12月7日】豊島将之名人が史上4人目の竜王・名人に! 第32期竜王戦

広瀬竜王に豊島将之名人が挑戦する第32期竜王戦七番勝負の第5局が12月6、7日に行われました。3勝1敗でタイトル奪取に王手をかけていた豊島名人が143手で勝利。羽生善治九段、谷川浩司九段、森内俊之九段に続いて、史上4人目の「竜王・名人」となりました。

2019年度が始まったタイミングでは王位と棋聖の二冠だった豊島竜王・名人。それが2019年度の終わりでは同じ二冠でも竜王と名人になり、タイトルがそっくり入れ替わるという珍しい年になりました。4月からは名人戦と、叡王戦のタイトル戦が始まります。2020年度の豊島竜王・名人はどのような活躍を見せてくれるのでしょうか。

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左から永瀬二冠、西山女流三冠、豊島竜王・名人


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