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折田翔吾アマがプロ入りの夢叶える! 棋士編入試験五番勝負第4局

将棋ユーチューバーとして活躍する折田アマが編入試験合格。タイトル挑戦中の若手、本田奎五段を破る


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折田翔吾アマが将棋のプロ棋士編入を目指して戦う、棋士編入試験五番勝負第4局の本田奎五段-折田アマ戦が2月25日に東京・将棋会館で行われました。結果は161手で折田アマの勝利。3勝1敗の成績を収めて、念願のプロ入りを果たしました。

棋士編入試験はプロ公式戦のいいとこ取りで10勝以上、かつ勝率6割5分以上の成績を収めたアマチュア・女流棋士が受験できる制度です。そもそもアマチュアがプロ棋士と対戦する公式戦に出場するには、アマ全国大会で抜群の成績を収める必要があります。その上で上記の成績をあげる必要があるとなれば、どれだけ狭き門かがお分かりいただけるかと思います。

折田アマは奨励会で三段にまで登り詰めましたが、年齢制限で退会。その後アマチュア大会に出場するようになり、アマ王将戦の全国大会で準優勝して第27期銀河戦の出場資格を獲得。プロ棋士相手に破竹の7連勝を収めて一躍話題になりました。翌28期でさらに3勝を積み上げて、10勝2敗の成績で編入試験の受験資格を獲得します。

編入試験の試験官は、棋士番号が若い順に新四段5人が務めます。第3局までの折田アマの成績は以下の通りでした。

第1局:(勝)黒田尭之四段戦
第2局:(負)出口若武四段戦
第3局:(勝)山本博志四段戦

合格へ王手をかけた第4局の相手は本田五段です。本田五段は初参加の棋王戦でいきなり挑戦者になるという史上最速記録を樹立した新鋭。現在タイトル戦の真っ最中で、渡辺明棋王(王将・棋聖)相手に1勝1敗と互角の戦いを繰り広げている強敵です。

折田アマは先手番で相掛かり戦法を採用。折田アマの得意戦法ですが、本田五段も得意とする戦型。両者のエース戦法が激突しました。

中盤、本田五段が「手拍子だった」と後悔した一手を機敏にとがめて、折田アマが優位に立ちます。得した銀をがっちり自陣に投入し、守りを鉄壁にして、あとは本田玉を寄せるだけ。しかし、タイトル戦挑戦中の本田五段が簡単に崩れるわけがありません。大駒を自陣に打ち付けて粘り、決め手を与えずにチャンスをうかがいます。

本田五段の粘りが功を奏し、形勢は混沌としていきました。そしてついに120手目、本田五段が金銀両取りの攻防の角を放ち、流れが変わります。今まで攻め続けていた折田アマでしたが、この角を境に攻守が逆転。形勢も本田五段がよくなったようです。

しかし、その直後にドラマがありました。本田五段が金を竜で取りつつ折田玉に迫り、一時は安泰だった折田玉についに詰めろがかかります。ところがそこで折田アマに「詰めろ逃れの詰めろ」の、盤上この一手の絶妙手がありました。当たり前に見えた金取りが実は敗着だったのは本田五段にとって不運だったとしか言いようがありません。

これで再び優勢になった折田アマですが、本田五段は秘術の限りを尽くして粘ります。竜を自陣に引き揚げ徹底抗戦。王手馬取りをかけられても、銀をタダで捨てる妙手で切り返します。しかし、ここで間違える折田アマではありませんでした。着実に、一歩一歩本田玉を追い詰め、最後は受けなしに追い込んで勝利。どちらも強いと唸らせられる好局を折田アマがものにし、悲願のプロ入りを果たしました。

局後のインタビューで折田アマは「2、3年前の状況からは信じられない。(試験の)重みは感じないように気を付けて、できるだけ気楽に臨むようにしたが、実際は懸かっているものが大きく、応戦してくれる人の期待に応えたいという思いはありました」と語りました。

「アゲアゲ将棋実況」というチャンネルで、ユーチューバーとしても活躍する折田さん。記者会見では、「これからも動画の活動をやりながら、棋士としても役立てていけたら」と語りました。また、今後については「アゲアゲ物語の第1章は終わり。第2章、3章とストーリー性のあるような棋士になれたら」と抱負を述べました。これからもプロ棋士として盤上ではもちろん、動画などの盤外の活動でも我々を大いに楽しませてくれることでしょう。

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対局直前の折田さん。この8時間後に悲願を達成することになる


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