2016.09.14
第1回目:Unity 5の概要と開発環境の構築
3Dゲームエンジン「Unity 5」のインストールから実際にユニティちゃんを動かすまでを解説します。
まずはじめにUnityの開発環境の構築から解説しましょう。
はじめに
Unityはユニティ・テクノロジー社が開発した「3Dゲームエンジン」です。「3Dゲームエンジン」とは、読んで字のごとく、3Dを動かすためのエンジンです。といってもなかなかイメージしにくいと思います。
例えば、真っ白な何もない箱庭のようなものを想像してください。その箱庭の中に、土をまき、山を作り、草や木々を生やし、水をたたえた湖を作る。その自然の中に3Dキャラクターを配置して、自然の中を駆け巡らす。こういった、処理を1からプログラミングしようとすると、気の遠くなるような時間が必要です。ところが、この「3Dゲームエンジン」を使用すると、これらのことが、ノンプログラミング、または数行のプログラムを書くだけで実現できてしまうのです。すごいとは思いませんか!しかもUnity 5のPersonal版は無料なんです。また、PCやスマホで動作するゲームを作ることが可能です。
Personal版以外の有料のEditionの機能については、下記のURLを参照してください。
Unityでは、キャラクターをキーボードの「上下左右」矢印キーを操作して動かすだけなら、まったくのノンプログラミングで実現できます。しかし、敵と戦わせたり、武器から弾丸を発射させたりといった、複雑な処理になると、どうしてもプログラミングが必要になります。
Unityで使用できる言語はC#、Javascript(Unity用に最適化されたUnity Script)それにBooという言語が使用できます。今回の連載ではC#を使用します。しかし、入門編ということもあってC#のコードは ほんの数行しか出てきませんので、理解しやすいと思います。
今回の連載では、必要に応じて、完成した作品をYouTubeにアップして、動画として閲覧できるようにしていますので、実際にどんな動きになるか確認することができます。 連載は週2回のペースで全10回配信予定です。お楽しみに!
・ Unity 5の概要と開発環境の構築
・ Unity 5のプロジェクトの作成
・ オブジェクトにマテリアルやテキスチャを適用する
・ Animationの作成方法 ・ Webカメラを使ってみよう
・ 3Dキャラクターをノンプログラミングで動かす
・ ユニティちゃんにジャンプ機能を実装する
・ Image Effectsを使って画面に変化を与える
●システム要件
では、まずはじめにUnityの開発環境の構築から解説しましょう。筆者の環境はWindows 10 Professional 64ビット+Anniversary Updateの環境です。 Unityのインストールから解説していきましょう。この原稿執筆時点のUnityのバージョンは「Unity 5.4.0f3 (64-bit)(以降Unity 5)」です。ただ、Unityはよくマイナーバージョンアップを繰り返していますので、記事が掲載される頃には、バージョンが変わっている可能性もあります。
OS:Windows 7 SP1+、Windows 8、10;OS X10.8+ GPU:DirectX 9相当の機能を持つグラフィックスカード、またはDirectX 11機能レベル9.3に対応。
下記のURLからUnityのPersonal版をダウンロードします(図1)。
https://store.unity.com/ja/download?ref=personal
まずはじめに、図1の画面の右隅上の赤い矩形で囲った部分をクリックして、「Unity IDを新規作成する」の欄をクリックしてください。すると、「Unity ID アカウントを作成」する画面が表示されますので、必要項目を入力して「Unity IDアカウントを作成」を行ってください。 その後、図1から、「インストーラーをダウンロード」をクリックします。すると、図2のように実行するか、保存するかを尋ねてきますので、今回は任意のフォルダーに保存しておきます。
●Unity 5のインストール
保存しておいた、「UnityDownloadAssistant-5.4.0f3.exe」ダブルクリックして実行します。するとUnityのインストール画面が表示されます(図3)。[Next>]をクリックします。
「Next」をクリックすると、「Licence Agreement」の画面が表示されますので、「I accept the terms of the Licence Agreement」にチェックを入れて[Next>]をクリックします(図4)。
次に表示される画面で、「64 bit」にチェックを付けて[Next>]をクリックします(図5)。
次の画面で、インストールするコンポーネントを選択します。もともとチェックがついているものはそのままにして、「Windows Store .NET Scripting Backer」、「Windows Store IL2CPP Scripting Backer」と、「WebGL Build Support」にチェックを入れます。Windows Store関係は、Unity 5のプロジェクトをUWPに書き出すために必要です。
また、筆者は使用しませんが、AndroidやiOSのスマホに書き出すためには、「Andorid Build Support」や「iOS Build Support」にチェックを付けておく必要があります。今回は付けておりません(図6)。
次に、インストールする場所の選択になりますが、そのままで[Next>]をクリックします(図7)。
また、「Licence Agreement」の画面が表示されますので、「I accept the terms of the Licence Agreement」にチェックを付けて[Next>]をクリックします(図8)。
図8の画面で[Next>]をクリックすると、やっとUnity 5のインストールが開始されます(図9)。
このインストールには結構時間がかかりますので、じっくり腰を落ち着けてお待ちください。途中で、「Microsoft Visual Studio Community 2015」のインストール部分でエラーが発生することがありますが、その場合は「無視」を選択してインストールを続けてください。
Unity 5のインストールが完了した後、PCを再起動すると、Visual Studio Community 2015のインストールが開始されますので、大丈夫です。
Unity 5のインストールが完了すると、図10の画面が表示されます。
図10の「Launch Unity」のチェックは外して、インストールを完了させてください。その後、PCを再起動すると、Visual Studio Community 2015のインストールが開始されます。インストールが完了した後、デスクトップ上に「Unity 5.4.0f3」のアイコンが作成されていますので、これをクリックして、「Unity 5.4.0f3」を起動します。 すると、「Sign into your Unity Account」の画面が表示されますので、最初に、「Unity IDアカウントを作成」で作成しておいたアカウントで、Sign Inしてください(図11)。
次にUnityの種類を選択する画面になりますので、ここでは、「Unity Personal」を選択して[Next]をクリックしてください(図12)。Personal版は無料ですが、ほとんどの機能は問題なく使用が可能になっています。
すると、また「Licence Agreement」の画面が表示されますので、一番下の「I don’t use Unity in a Professional capacity」にチェックを付けて「Next」をクリックします(図13)。
これで、いよいよUnityの使用が可能になります(図14)。
図11~図14の画面は次回からの起動時には表示されません。 以上でUnity 5の使用が可能になりました。今回はここまでです。次回までにUnity 5をインストールしておいてください。 次回はいよいよUnity 5のプロジェクトの作成を紹介します。