マナティ

伝説の名著をご紹介!『CPUの創りかた』

CPUへの理解を深める名著をご紹介します。

はじめに

突然ですが、CPUって知っていますか? 「知ってる知ってる、パソコンとかスマホに入ってるアレでしょ?」という方がほとんどではないでしょうか(まさか「対戦ゲームとかでコンピュータが操作するキャラクター」のことだとは思っていませんね)。では、CPUを作ったことはありますか? ……普通はないですよね。
そもそも一万円も払えば3.6GHzのCPUが手に入る時代にわざわざ自作するメリットはあるのでしょうか? 実は……特にありません。
前置きはさておき、今回紹介するのは2003年発行以来なんと30刷を達成した伝説の名著、『CPUの創りかた』です!



 

人気の秘密をご紹介

「でも、さっき自作するメリットは特にないって言ったじゃん……」という声が聞こえてきそうですが、安心してください。発行当時(2003年)でも一万円で1GHz超えのCPUは簡単に手に入りました。つまり、自作するメリットがないという点では今も当時も一緒なんです!
……待ってください、まだブラウザバックはしないでください!
なぜこんなに長く愛されているのか? 人気の秘密をご紹介します!

人気の秘密1.かわいいイラストと親しみやすい文章

この本を見たときにまず目を惹くのは、なんといってもかわいいメイドさんのイラストではないでしょうか。

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実はこのメイドさん、本文中でも登場して解説を助けてくれます。文章もこの手の専門書としてはあまり見られないほど親しみやすく、初心者でも安心して読むことができます。本文でも述べられていますが、『CPUの創りかた』はまじめな学術書ではないのです。
かわいいイラストと読みやすい文章、そして適度な脱線が本書の人気の秘密と言っていいでしょう。本書は320ぺージもありますが、楽しんで読んでいくうちにあっという間に読み終わってしまいます。

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ちなみにこちらはド・モルガン律を発見した日系フランス人のド・モルガン・律子さん(趣味はワイン作りと地下核実験)です。かわいいですね!(オーガスタス・ド・モルガンはイギリス人です。念のため)

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人気の秘密2.初歩の初歩からの解説

本書はただCPUを組み立てるだけの本ではありません(むしろ、組み立て自体の解説はあまりしていません)。
どちらかというとCPUの仕組みを理解するための本と言えます。そのため、CPUを構成する一つひとつの部品について詳しく解説しています。
回路を扱う上で必ず必要になる「オームの法則」までカバーしているので、高校の物理でついていけなかったという方も安心してください。

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それだけではなく、回路の状態を測るテスターの使い方やデータシート(部品の仕様書のようなものです)の読み方まで教えてくれるので、大学などで電気系の講義を受けていない人でも安心して読むことができます!
さらにさらに、電子工作をする人にとっては、もはや常識ともいえる注意事項まで丁寧に解説しているので、実際に作ってみて壊れた! なんてことが(あまり)起きないようになっています。

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ここまで初歩の初歩から解説している本はあまりないでしょう。CPUに限らず、電子工作にちょっと興味がある方にもオススメの一冊です。
なお、本書は電子工作自体の解説はあまりしていません。ここまで読んで「実際にCPUを作ってみたい!」と思った方は、電子工作の入門書も一緒に購入することをお勧めします。

人気の秘密3.作って終わりじゃない! 動作確認やさらなるCPUの強化まで

『CPUの創りかた』を10章まで読み切ったあなたは、きっと自作CPUを完成させていることでしょう。では早速電源をいれて動かしてみましょう。いざスイッチオン!
……の前に、ちょっと待ってください。多分その自作CPUは高確率で動かないでしょう。それだけならまだしも、もしかしたら電気を流したとたんに壊れるかもしれません。
誤解しないように言っておくと、本書の内容が間違っているということではありません。CPUの配線はけっこう複雑なので、作っているうちに間違えるのが普通です。いきなり完璧なものを作るのは難しいのです。
作りかただけ教えて終わり、あとは自分でなんとかしてね。だとこのあとどうしていいかわからないですね? 本書はそんな不親切な設計ではありません。ちゃんと動作確認のしかたまでフォローしています。

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これで安心して電源を入れられるようになりますね! もちろんここで学ぶ内容はCPU作りだけではなく電子工作全般で役に立つ知識です。
ちなみに、これで正しく動作したけどまだ物足りない! もっと強いCPUを作りたい! という方向けにCPUを強化する方法も解説しています。ちょっと難しい内容ですが、ここまで読んだあなたならきっと理解できるはず!

おわりに

かわいいイラスト、初歩の初歩からの解説、作成後のフォロー……ロングセラーの秘密は少しでも伝わったでしょうか? 本書の発行は2003年と、コンピュータの業界ではかなり古い部類に入りますが(このころはWindowsXPを使っていましたよね……)、それでもCPUの原理原則や電子工作の基礎は何も変わっていません。
『CPUの創りかた』は間違いなく不朽の名著といえるでしょう。そんな本書がかねてよりご要望の多かった電子書籍になります。

「昔読んで勉強したよ」というおじさんにも、4月から電気系の大学に進学する若者にも、組み込み系のエンジニアの方にも、そしてもちろんパソコンオタクの方にも、一度は読んでいただきたいと思っています。
『CPUの創りかた』は時代や技術が変わっても、変わらない確かな力が身につく一冊です。 この本を通じて、CPUというブラックボックスを解き明かしましょう!
最後に、今この文章を読んでいるあなたと『CPUの創りかた』との相性診断を載せて紹介を終わります。ありがとうございました。

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著者プロフィール

Manatee編集部(著者)