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「外貨建て保険」が人気な理由

「外貨建て保険」は保険であると認識する


 近年、日本の生命保険業界では外国通貨建て保険が大ヒット商品となり販売件数が増加しています。

 「外貨建て保険」とは、契約者が支払った保険料を、保険会社が外貨で運用する保険商品のことで、年金保険や終身保険など、将来的に保険金や解約返戻金が戻ってくる貯蓄型の保険のことです。

 現在、日本で販売されている「円建て保険」の場合では予定利率(保険会社が契約者に約束する運用利回り)が低水準となっており、返戻率(支払った保険料に対して、解約時にどれだけお金が受け取れるかの割合)も低くなっているので、貯蓄型の「円建て保険」は有利性がなくなっています。

 これに対して、外貨建て保険は予定利率が高水準で、返戻率も高いので、円建ての貯蓄性保険に対して有利性があるうえ、貯蓄型の円建て保険と比較すると保険料も安い傾向にあることから、「投資は怖いけど、リスクを抑えながら資産を有効活用したい」という層を中心に、人気が集まってきているのです。



 

元本割れの危険性と手数料


 外貨建て保険は、外貨預金と同様に為替差益を期待できることがメリットの1つですが、逆に為替差損を被ってしまい、それが運用益を上回ってしまうケースもあります。

 国内で販売されている外貨建て保険の多くは解約返戻金と死亡保険金が保証されているものの、あくまで外貨建てベースにおける話ですので、その外貨に対して加入時よりも円高が進んだ時点で保険金や解約返戻金を受け取る(日本円に戻す)と、状況次第では元本割れに陥ってしまう恐れがあるのです。適用される為替レートは、常にリアルタイムの相場が反映されるわけではない点にも注意が必要です。

 また、外貨建て保険は日本円を外貨に換えて運用したうえで外貨を日本円に戻して保険金や解約返戻金を支払うため、それぞれのプロセスで為替手数料を負担することになります。さらに、短期間で解約すると「解約控除」と呼ばれる手数料を徴収されるケースもあります。

 主要な外貨建て保険の運用状況を見てみると、概ねリターンは3%前後で設定されています。ただ、コストなどを差し引いた後で実際に受け取れる利回りは、保険期間や保険料の支払い方、保険金の受け取り方によって変わり、おおむね1~2%弱になります。あまり高いとはいえませんが、それでも預貯金の利回りに比べた場合、また、外貨に分散投資するという意味では、十分検討に値するのではないでしょうか。

 外貨建て保険は銀行の窓口で販売されることが多いため、特にシニア層が商品性をよく理解しないまま預金と同じような感覚で契約し、想定外の損失が出てトラブルとなるケースも起きているようです。また、保険商品であることから、一般の金融商品と違い、契約者(被保険者)の年齢条件で保険料が変動しますので、60歳以上の老齢世代には不向きともいえるかもしれません。

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