アメリカン・エクスプレス プレミアムカード御三家 2022年振り返りと2023年の展開を予測(2)
アメリカン・エクスプレス
2022年の振り返り
グリーン・カードの月会費制スタート
これまで日本のプレミアムカードは、アメックスが先頭に立って牽引してきたといっても過言ではない。
そのシンボルとなるのがセンチュリオンと呼ばれる最高峰のブラックカード。46万円という業界一高い年会費とステイタスで業界の雄として範を垂れてきたが、昨年あたりから戦略を自ら見直す姿勢をみせている。ターゲットを若者を中心に一般顧客に広げようとしているのだ。
大きな動きがあったのが、2022年9月に従来のスタンダードカードを10年ぶりにリニューアルした「アメリカン・エキスプレス・グリーン・カード」の発行。月1100円の月会費制として、いつでも退会できるようになったことは、クレジット業界の新たな試みとして業界内外で話題となった。
月会費制になっても空港ラウンジ使用、会員限定イベントや優待、最高5000万円の海外旅行傷害保険やショッピング・プロテクションは従来通り付帯している。サブスクといえど1年間継続すれば、従来の年会費と同等の金額となる。
ただ入会・退会の自由度を上げ、個人のライフスタイルに寄り添う形としたことで、新規顧客開拓に一役買うことになる。これまでアメックスのカードを持てなかった人も持てるようになったことは非常に大きい。また、法人カードでも若者のスタートアップ起業家にターゲットを絞っているのが特徴といえる。
若い社長が自ら法務局に会社登記に訪れる時を逃さずに、法人ゴールドカードを勧めるという噂も聞こえてきているほどだ。これまでの顧客は高齢化が進みアクティビティがなくなってきている。
若者はアクティブな人が多いのは明白。これまでのブランディングを方針転換してまでも新規開拓をしていこうという姿勢が見えたのが、2022年だったといえるだろう。
2023年の展開予測
若年富裕層向けサービスが拡充する
2023年は、2022年に行った大改革をさらに推進していく年といってもいだろう。クレジットカード業界でも各社が注力しているのが法人向けカード。副業解禁により、個人事業主が増えることが予測されマーケットとしても期待されている。
スタートアップなどの若年経営者や個人事業主向けカードは、カード利用枠も法人レベルとなるためカード決済金額も高額となってくる。そうすれば収益もアップしそうだ。サブスクカードの動向も気になるところだが、もうひとつ提携カードの動きも注視したいポイントだ。
2022年2月にこれまで旅行系カードとして君臨していた「SPGアメックス」カードをMarriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード」にリニューアルした。そのほか提携カードも多く、新規顧客だけでなく旅行や航空会社系のサービスにも期待できるだろう。
注目のカード
Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード
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提携カード
三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード
ヒルトン・オナーズ・アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード
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