金でローリスク投資 ~いろいろな運用法でお金を増やす(4)~
投資の仕組みが分かりやすい
「商品の取引は面白そう。ただ、先物はまだハードルが高い」そういう場合は、金の現物投資を検討してみましょう。大豆やトウモロコシの現物を買っても使い道に困りますし、そのうち腐ってしまいます。
しかし、金は腐りません。そもそも金は、株や先物などが生まれる前から資産運用の手段として世界中で使われてきた歴史があるのです。
金投資(純金投資)は市場の流通価格で取引しますので、売買のタイミングによって値上がり益を得ることができます。ただ、株には配当金が受け取れる銘柄がありますが、金にはそのような利益がありません。
つまり、キャピタルゲインのみを狙うシンプルな投資です。
価値がゼロにならないビギナー向け投資
また、株、投資信託、外貨には複数の種類がありますが、金は世界中どこへ行っても金であり、1種類です。その点でもシンプルといえますし、情報分析などに手間がかかることもないでしょう。
さらに、株は上場廃止になることなどによって価値がゼロになる可能性がありますが、金の価値がゼロになることはほぼあり得ません。価格が下がった場合は金貨やジュエリーにすることもできます。
このような点から、金は投資ビギナーにとって取っ付きやすい商品といえます。
純金投資の特徴
中長期保有か積立方式がおすすめ
金は、ほかの投資商品と比べてローリスクですので、その分、リターンも小さくなります。そのため、短期間で大きな利益を出すのは難しく、中長期で保有するか、積立方式で買うのがよいといえるでしょう。
ただし、まったくリターンが見込めないわけではありません。ここ数年の値動き(国内)を見ても、2000年には1グラム1千円前後で推移していましたが、直近では約8千500円にまで値上がりしています(2022年9月現在)。
中長期で保有することで、数倍に増やすことも可能なのです。
取扱業者によって手数料が異なる
もちろん、値下がりする可能性もありますので、リスク対策は重要です。純金積立であれば、月々の購入金額を決め、購入のタイミングを分散することで、買付単価を抑えることができます。
ちなみに純金積立は月々1千円程度から始めることができるため、資金的なハードルも低いといえるでしょう。注意したいのは手数料です。
純金の売買では、金の購入時と、保有する金を現金に戻して引き出す時に手数料がかかり、業者によって料金に差があります。業者によっては口座の管理料として年会費などがかかる場合もあります。
また、外貨預金と同じように、金にも買う値段と売る値段の差があります。中長期投資になるほど手数料の総額が大きくなりますので、各種手数料を比較してみましょう。
分散投資に活用
投資先を分散
投資先が多いほど分散投資効果は大きくなる。金もその選択肢の1つになる
積立で時間を分散
積立は購入価格の平均を抑える効果あり。金は投資額が低いため積み立てやすい