入玉大作戦
△５七歩は相手の桂を活用させるくらいなら放っておくことにした。
もちろん大きな拠点で、うっかり銀でも渡そうものなら５八から放り込まれて終わり。

▲２五歩は桂香が使えなくなるひどい手だが、対局中は仕方ないと思っていた。
ここでは、まだ▲５七角と歩を払うほうがましだった。

▲３五歩はいかにも呼び込みすぎ。
ここは▲４六銀とあがる一手だった。
それならまだまだの将棋だった。
当たり前の手が対局中は見えなくなる不思議。
以下自分が呼び込んだ金銀にいいようにやられ、と金まで作られ泣きたくなる。

それでも遊んでいた３七銀をえっちらおっちら５五まで進出させるも△３五銀…。
何もかもが相手にぴったりくるようにできている。
△６六歩も厳しいたたき。
▲同金はボロっと４六桂をはずされるし、かといって逃げる手はないので▲同銀の一手。だが、△４六金と駒を補充され、次の△７四桂が見えている。

万策尽きたと思った△８四銀。

３七にいた銀がなぜ８四にいるのか。とっても変である。
まったく働いていないくせによく動く銀。これをなんとかできまいか。
盤面左辺上部はすかすか。遠大な計画、悪あがき。目指せ入玉大作戦。
▲２四歩や▲３三歩成は拠点を失ってしまうけれど、
△１八角成と馬を作られないようにした。
角成りから馬を自陣に引きつけられると、入玉大作戦はたちまち頓挫してしまう。

　第５図以下の指し手
△３六金　▲８六歩　△８五歩　▲同　歩
△８六歩　▲６五歩　△６六歩　▲同　金
△４六金　▲２七歩　△４五角▲５五角成
△７四桂　▲７六金　△５六金　▲６四馬
△６六金　▲８六金　△同　桂　▲同　馬
△７六金打▲８七金　△８六金　▲同　金
△５一飛　▲９七玉　△５七飛成▲７七歩
△同　金　▲９五歩△７八角成（投了図）
まで156手で山田の勝ち

　 　 　

 

山田−船戸戦の棋譜
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