第1期マイナビ女子オープン 本戦1回戦第2局
矢内理絵子女流名人vs上田初美女流初段

自戦記 上田初美


▲4九金 △6七成桂▲3八飛 △3五歩
▲3四歩 △同 銀 ▲3五金 △同 銀
▲同 飛 △2七歩 ▲同 銀△5七角成
▲3七飛 △3四歩 ▲3六銀左△4六馬
▲2八角 △9八龍 ▲3八飛 △2八馬
▲同 玉 △4八歩 ▲同 飛 △同 龍
▲同 金 △7八飛 ▲3八金 △4六桂
▲3九歩 △5五角 ▲3七銀△3八桂成
▲同 歩 △4八飛成    (第5図)

 

 高校卒業後
  対局中、かなり悪いと思っていた。

そんな中で▲4九金と指せたのは、苦しいながらも、自分の力を出せた証拠だと思う。▲4九金に対して、△4八歩を中心に考えていた。

▲3八金と上がり、もし△6七成桂なら▲5四飛△同銀▲3四歩△同銀▲6一角とするつもりだった。

これで自信がある訳ではないが、元々の局面が悪いので仕方がない。

しかし、進んでみると意外と難しいのでは無いかと思い始めるから不思議だ。

そしてそう思っているとまた悪手を指す。それが▲3五金。

この金は離れてはいけなかった。▲3六歩と合わせたらどうだったか。

一見遅いように見える歩だが、それを上回る後手の攻めが難しい。

△4八飛成と指した第5図。この手自体は詰めろではない、そして両者1分将棋。

この局面は既に敗勢だがあの手を指すしかなかった。


今年の春、高校を卒業して地方へ仕事でお邪魔する機会が増えた。

普及を率先してやっている方々は皆、本当に将棋が好きで、それをどうにかして伝えられないかと動く。とにかく行動力が物凄い。

その真っ直ぐさには感動すら覚えて、自分の気持ちも真っ直ぐになる様な気がする。

第5図以下の指し手
▲4六桂 △同 角 ▲同 銀 △同 龍
▲7二飛 △2四桂 ▲4三角 △3六桂
▲同 銀 △3九銀 ▲同 玉 △4八金
▲2八玉 △3八金 ▲2七玉△3七金打
(投了図)
まで144手で矢内女流名人の勝ち

 

第5図では▲2四桂と少しでも相手にプレッシャーを掛けておくべきだった。

例え負けだとしても、一番勝てる可能性のある手を選ぶ事が大切だと思う。

△2四桂が詰めろになっているのは知っていたが、受けもなく、▲4三角と形作りに。矢内さんの指し手も早くなり、読みきられたなと悟った。

投了図以下は簡単な詰みである。

 

     

矢内−上田戦の棋譜
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