マットレスは「かたい」「やわらかい」といった感触だけでなく、内部の構造や詰め物、外側の生地などによって、寝心地が大きく異なります。
人それぞれ好みや予算などが異なるうえ、さまざまなメーカーから商品が販売されており、マットレス選びで悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マットレスの選び方を7つのステップにわけてわかりやすく解説します。
順番に絞り込んでいけば、どのようなマットレスを選ぶべきかがわかりますので、ぜひ参考にしていただき、疲れを癒す心地の良い睡眠時間を手に入れましょう!
ステップ①体格・人数に合わせてサイズを選ぶ
まずは自身の体格や、マットレスを利用する人数に合わせた最適なサイズ選びからはじめましょう。
マットレスのサイズにはセミシングル~キングまで7種類ほどあり、加えて各種「ロングサイズ」「ショートサイズ」などもあり多種多様です。
ここでは、各種サイズがどのような人に向いているのかを解説します。
なお、マットレスのサイズは、メーカーによって1cm~2cm前後の違いはありますが、日本規格協会グループが定めた「JIS規格」に基づいて作られます。
今回はJIS規格に基づいたマットレスの各種寸法もあわせてチェックしましょう。
目安は肩幅+40~50cm、身長+20cm以上のサイズ
マットレスの選び方というと、「1人=シングル」「2人=ダブル」といったイメージを持たれている方も多いでしょう。
実際には、肩幅+40cm~50cm、身長+20cm以上のサイズ選びが目安といわれており、1人だからシングル、2人だからダブルが最適解とは限らないのです。
セミシングル(1人用)|子どもや小柄な人向け
セミシングルサイズの主な寸法は、幅85cm×長さ195cm前後です。
マットレスの中でもかなりコンパクトで、シングルサイズよりも12cmほど狭いのが特徴。
ワンルームのお部屋にも設置しやすいサイズとなっています。
子供や小柄な人であれば、セミシングルサイズのマットレスでもサイズ感に余裕を感じられるでしょう。
また、サイズが小さいぶん重量も軽いため、引越しや模様替えなどの際に、1人で移動しやすいのもメリット。
ただし、寝返りの多い人や、足を広げた寝姿勢が好みの人にとっては窮屈に感じる可能性があるため、シングルサイズもチェックしておくのがおすすめです。
シングル(1人用)|もっとも一般的な1人用
シングルサイズの主な寸法は、幅97×長さ195cm前後です。
1人用のマットレスとしてはもっとも一般的なサイズで、セミシングルサイズに比べると12cmほど幅が広くなっています。
1人での利用はもちろんのこと、シングルサイズのマットレスを2つ並べて大きめのキングサイズのマットレスとして利用したり、2つのマットレスを少し離して設置することでツインベッドとして利用したりと幅広く活用できます。
また、後々互いに別の部屋で寝ることになった際にも、柔軟に対応が可能です。
一般的には1人=シングルサイズのイメージがありますが、寝返りの多い人や、普段の寝姿勢によっては1人でもセミダブルサイズのほうが適していることがあります。
セミダブル(1人用)|大柄な人やゆったり寝たい人向け
セミダブルサイズの主な寸法は、幅122cm×長さ195cm前後です。
部屋の圧迫感が気になる人は、収納付きのベッドを利用すると良いでしょう。
セミダブルサイズは、ビジネスホテルなどのベッドにも採用されていることが多く、ゆったりとリラックスした姿勢で寝られます。
大柄な人など、シングルサイズでは少々窮屈に感じてしまう場合にも最適です。
また、セミダブルサイズのマットレスを2つ並べると、横幅が240cmを超えます。
大人2人で並んで寝る場合や、乳幼児の添い寝にはセミダブルサイズのマットレスを2つ利用するのもおすすめですよ。
一方で、セミダブルサイズのマットレスは1人での利用を想定して作られているため、マットレス1つの耐荷重を考えると2人での長期利用はおすすめできません。
ダブル(1~2人用)|2人用としては少し窮屈な場合も
ダブルサイズの主な寸法は、幅140cm×長さ195cmです。
用途としては1人~2人用となっていますが、2人用の場合、体格や寝姿勢によっては少々窮屈に感じることもあります。
2人で利用される場合は、マットレスのお試し期間の活用や、実店舗での確認を行っておくと安心です。
お部屋を少しでも広く使いたい、横幅にデメリットを感じないという人は、コンパクトな2人用ベッドとして利用するのも良いでしょう。
一方で、1人でダブルサイズのマットレスを利用すると、横幅に大きな余裕を感じられます。
高級ホテルのような寝心地を求めたい方には、とてもおすすめのサイズ感です。
シングルサイズと同様に一般的なサイズなので、ベッドフレーム、シーツ、敷きパッドなどの選択肢も豊富です。
ワイドダブル(2人用)|2人でゆったり寝たい人向け
ワイドダブルサイズの主な寸法は、幅154cm×長さ195cm前後です。
ダブルサイズに比べて横幅が14cm前後大きく、2人で寝てもゆったりと横になれるサイズ感となっています。
サイズの大きさから、クイーンサイズよりも安く購入できるため「できるだけ2人でゆったり寝たいけれど、クイーンサイズは予算的に厳しい」といったご家庭にもおすすめです。
ただし、ダブルサイズやクイーンサイズに比べると、取扱い店舗がやや少ない傾向にあります。
あわせて、ベッドフレームやシーツ、敷きパッドなども販売店が限られるため、近所では探すのに苦労することも。
マットレスの購入が決まったら、オンラインショップを活用するのも良いでしょう。
クイーン(2人用)|寝室が広く2人でゆったり寝たい人向け
クイーンサイズの主な寸法は、幅170cm×長さ195cm前後です。
幅80cm~85cm前後のマットレスを2枚並べるタイプもあり、クイーンサイズでも搬入が容易になります。
また、2枚並べるタイプのマットレスの場合、互いに寝返りを打っても振動が伝わりにくいのがメリットです。
マットレスの隙間が気になる人は、敷きパッドや隙間パッドを活用すると良いでしょう。
クイーンサイズは2人で横になってもかなりゆったりと寝られます。
寝室が広いご自宅で、予算に余裕がある場合はクイーンサイズもおすすめです。
キング(3人用)|夫婦+子供1人で寝てもゆとりあり
キングサイズの主な寸法は、横幅180cm × 長さ195cm前後です。
クイーンサイズと同様、横幅90cm~95cm前後のマットレスを2枚並べるタイプもあり、マットレス間の隙間が気になる人は敷きパッドや、隙間パッドを活用しましょう。
キングサイズのマットレスは、小さな子供と大人2人で添い寝をしても十分な広さを確保できます。
キングサイズよりも大きなサイズを求める場合は、シングルサイズまたはセミダブルサイズを2つ連結させて利用すると良いでしょう。
キングサイズは数あるマットレスの中でも、販売価格が高額になります。
予算に余裕のある方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
シングルを2台連結する方法もある
ここまでも何度かお伝えしてきたように、より大きなマットレスをお求めの場合はシングルサイズ、あるいはセミシングルサイズを2つ連結するのもおすすめです。
とくにシングルサイズを2つ連結すると、一般的なキングサイズのマットレスよりも幅の広いスペースを確保できます。
シングルサイズであれば売っているショップも多いため、万が一商品が劣化しても比較的気軽に買い換えられるメリットもあります。
身長に合わせてロング・ショートサイズも検討しよう
セミシングル、シングル、セミダブル、ダブル、ワイドダブル、クイーン、キングとマットレスのサイズをご紹介しましたが、いずれも縦幅は195cm前後が一般的です。
「縦幅にもう少し余裕をもたせたい」あるいは「縦幅をもう少しコンパクトにしたい」という方は、各サイズごとに用意された「ロングサイズ」「ショートサイズ」を選択すると良いでしょう。
ロングサイズは各サイズ+10cm~15cm前後、ショートサイズは各サイズ-10cm~15cm前後に設計されています。
身長に合わせることはもちろんのこと、お部屋のサイズに合わせるためにも役立ちます。
ステップ②性能・好みに合わせて素材を選ぶ
目ぼしいサイズが決まったら、次に性能や好みにあわせてマットレスの素材を選択しましょう。
ここでご紹介するマットレスの素材は以下の5種類です。
- 高反発ウレタン:弾力性◎寝返りが多い人向け
- 低反発ウレタン:体圧分散性◎柔らかい寝心地が好きな人向け
- ポケットコイル:耐久性◎多くの人に合いやすい寝心地
- ボンネルコイル:通気性◎なるべくコストを抑えたい人向け
- ラテックス:抗菌・防ダニ効果あり!フィット感を重視したい人向け
マットレスの素材は、それぞれに特徴があり寝心地が大きく異なります。
人それぞれの睡眠の質にも影響する重要な要素のため、これからご紹介する一つひとつの特徴を参考に、自分好みの素材を絞り込んでみてくださいね。
高反発ウレタン|弾力性◎、寝返りが多い人向け
押すとすぐに形を戻す反発力が特徴の高反発ウレタン。
高い弾力性で身体をサポートし、寝姿勢を保持する力に優れています。
体重をかけても沈み込みすぎず、寝返りを打ちやすいのが特徴です。
「高反発ウレタンだから硬い」というわけではなく、同じ素材の中にも硬さに種類があります。
硬さの選び方については「ステップ④寝姿勢・体重に合わせてかたさを選ぶ」にて詳しく解説しますが、ひとまず高反発ウレタンは「沈みすぎるマットレスが苦手」「睡眠中の寝返りが多い」という人におすすめです。
低反発ウレタン|体圧分散性◎、柔らかい寝心地が好きな人向け
低反発ウレタンは、手のひらで押すとしばらく手形が残り、ゆっくりと形を戻していくのが特徴です。
身体の形に沈み込むことで、包み込んでくれるような柔らかな寝心地を体感できます。
体圧分散性に優れ、身体の各パーツにかかる負担を減らしてくれるメリットも。
一方で、耐衝撃吸収性がとても高いため、寝返りが打ちにくい点がデメリットといえるでしょう。
「ふかふかのマットレスで寝たい」「寒がりなので包み込まれるようなマットレスで寝たい」そのような方におすすめです。
「低反発は好きだけど、沈みすぎて寝づらそう」と感じる人は、低反発ウレタンの中でも硬めのマットレスを選ぶを選ぶのも良いですよ。
ポケットコイル|耐久性◎、多くの人に合いやすい寝心地
バネ一つひとつがポケット(袋)に包まれており、独立したコイルが点で体を支えます。
バネの性質上、低反発ウレタンのように沈みすぎることがない高い弾力性を持ちながら、寝姿勢にあわせて柔軟に身体にフィットしてくれるのが大きな特徴です。
体圧分散性に優れ、2人以上で寝るのにもおすすめですよ。
高価な商品も多いですが、幅広い人に合いやすく高い耐久性を持っており、長く愛用できるマットレス素材といえるでしょう。
ボンネルコイル|通気性◎、なるべくコストを抑えたい人向け
連結したバネでひとつの面を支えるタイプのボンネルコイル素材。
ポケットコイルのようにバネを包む構造ではないので、通気性に優れており、連結している特性上、高い弾力性と硬めの寝心地が特徴です。
また、マットレスの中ではグレードの低い商品として位置づけられていることが多く、比較的安価に購入できるのもポイント。
一方で、面で荷重を支えているため、2人で寝ると振動が伝わりやすいというデメリットもあります。
マットレスの硬さにあまりこだわらない人や、なるべくコストを抑えたい人におすすめです。
ラテックス|抗菌・防ダニ効果あり!フィット感を重視したい人向け
ラテックスマットレスとは、一言で言うと「ゴム」の素材でできたマットレスのことです。
マットレスに使われるラテックス素材には、ゴムの木から採取した樹液から作る天然ゴムのラテックスと、合成ゴムのラテックスがあります。
ラテックスは高い耐久性が魅力のひとつですが、合成ゴムでできた製品の中にはヘタりやすいものもあるため、安価なマットレスを購入する際は注意しましょう。
ラテックスマットレスは、ゴム素材ならではの優れた弾力性と柔軟性で、高いフィット感を体感できます。
また、ダニやカビが繁殖しづらいメリットもあり、子供と添い寝をする人にもおすすめの素材となっています。
ファイバー|丸洗い可能!衛生面を重視したい人向け
ポリエチレンやポリエステルなどの樹脂を、網目状に固めて作られたマットレスです。
網目状の中身は空気の層になっており、非常に軽量で丸洗いもできる機能的な素材となっています。
硬めの寝心地で高反発のため、寝返りが打ちやすいのも特徴です。
一方で、ポリエチレン製やポリエステル製のファイバー系マットレスは、熱に弱いデメリットを抱えています。
どちらかというとポリエステル製のほうが耐熱性が高いといわれていますが、湯たんぽや電気毛布などの併用は避けた方がよいでしょう。
必ずメーカーの表示を確認した上で使用されることをおすすめします。
ファイバー系マットレスは、衛生面がとくに気になる人に適した素材です。
ステップ③用途・体重に合わせて厚さを選ぶ
マットレスのサイズ、素材選びができたら、次にマットレスの「厚さ」を選びましょう。
マットレスの厚さは、主に寝心地や手入れのしやすさに関わる要素です。
また、ロフトベッドでの使用、床置きでの使用などといった用途や、体重によって最適な厚さが変わります。
ここでは、5cm以下~30cm以上まで、5段階の厚さにわけて選び方を解説します。
買ってから後悔しないためにも、ぜひ一度目を通していただけたら幸いです。
~5cm|マットレストッパーとしての用途がメイン
マットレストッパーとは、寝心地の悪いマットレスを改善するために重ねて使用するマットレスのことです。
1枚で使用するには不十分な厚さのため、基本的には現在使用しているマットレスに重ねて使用すると考えましょう。
5cm程度のマットレスは、厚めのマットレストッパーとして利用し体圧分散性を高め、3cm程度のマットレスは、分厚い敷きパッドの役割を持ちます。
寝心地を追求するのは難しいですが、コストを抑えて寝心地をアップさせたい場合におすすめです。
5~10cm|手軽さを重視したい人におすすめ
5cm~10cm程度のマットレスは敷布団のような厚みとなります。
10cm以下であれば、比較的軽量で、移動やお手入れがしやすいです。
また、折り畳みが可能なマットレスも多いため、使わないときは折り畳んでおきたいという場合にもおすすめです。
ロフトや2段ベッドで利用するのにも良いでしょう。
ただし、体重や寝姿勢によっては底つきが気になることも。
手軽さを重視したい人や、マットレスを買い換えたいけれどコストを抑えたい人に向いている厚さといえます。
10~20cm|床置き・ベットの上どちらでも使える
10cm~20cmになると、床置き、ベッドの上、どちらで利用するにしても十分な厚さです。
折り畳み可能なマットレスとしては10cm前後が限度といえます。
また、体重を問わずしっかりと支えてくれるうえ、寝心地の選択肢が増えます。
寝心地、価格、手軽さのバランスに優れており、初めてマットレスを購入する人にもおすすめです。
重さも10kg~15kg前後で、力があまりない人でも移動がしやすいのも特徴となっています。
20~30cm|いちおし!寝心地と耐久性を重視したい人向け
収納性は無くなりますが、マットレスとしてのリッチな寝心地を味わうのであれば20cm~30cmの厚さがおすすめです。
コイル系マットレスをお求めの方は、20cmほどの厚さだと比較的安価に購入できます。
ただし、詰め物が不十分なこともあるため、安価な商品が気になる場合は現物を確かめてから購入すると良いでしょう。
30cmほどの厚さになると、シングルサイズでも20kg以上の重さとなり、寝心地も耐久性も抜群にアップします。
価格や手軽さよりも、しっかりと寝心地や耐久性を追求したい人は20cm~30cm前後のマットレスを選ぶのが良いでしょう。
30cm~|最上級の寝心地を追求したい人におすすめ
30cm以上の厚みになると、ほとんどがスプリング系のマットレスになります。
体圧分散性などの機能を極限まで高め、高級ホテルのベッドのような、ふかふかな寝心地を体感できるでしょう。
両面仕様のマットレスも多く、両面をローテーションして使うことで、30cm以下のマットレスよりも大幅な長持ちが期待できます。
高級な寝具メーカーの中でもハイクラスな商品に値するため、価格は高額です。
寝心地を徹底的に追求したい人におすすめの厚さとなっています。
体重によって最低限必要な厚さが異なる点に注意
体重 | 最低限確保したい厚さ |
---|---|
30kg | ファイバー系:3cm以上 ウレタン系:5cm以上 |
60kg | ファイバー系:5cm以上 ウレタン系:7cm以上 |
80kg | ファイバー系:7cm以上 ウレタン系:10cm以上 |
100kg | ファイバー系:10cm以上 ウレタン系:13cm以上 |
マットレスの厚さは、これまで解説してきた用途だけでなく、体重も考慮して選ぶことが重要です。
体重のぶんだけマットレスに負荷がかかるため、表にある数値を参考に、最低限必要な厚さを確保しましょう。
15cm~20cmくらいの厚さであれば、耐荷重の観点では多くの人が快適に利用できます。
ステップ④寝姿勢・体重に合わせてかたさを選ぶ
同じ素材のマットレスでも「かたさ」にいくつかの種類があります。
かたさは大きく分けて「かため」「ふつう」「やわらかめ」に分類され、マットレスに使用される素材との組み合わせによって、寝心地は全く異なります。
また、「かため」が好きだからといって、安易にかためのマットレスを選ぶと腰や首などが浮いて負担がかかることもあります。
マットレスの方は、主に寝姿勢や体重を考慮して選ぶのがおすすめです。
うつぶせ寝が多い|かためのボンネルコイル
かためのマットレスは、沈み込みが少なく寝返りが打ちやすいです。
とくにうつぶせ寝の場合、沈み込みが深いマットレスは首への負担が増える可能性があるため、かためのものを選ぶのがおすすめです。
かためのマットレスというと、ボンネルコイルやファイバー系が主な選択肢となるでしょう。
コストを抑えるならボンネルコイル、高反発ウレタンのような弾力性を求めるならファイバー系のマットレスが向いています。
あお向け寝が多い|中程度の高反発ウレタン・ラテックス
中程度(ふつう)のマットレスは、「かため」と「やわらかめ」の間をとり、バランスに優れたかたさです。
首や腰など沈み込みやすいポイントを程よくサポートし、身体への負担を軽減してくれるため、あお向け寝が多い人におすすめです。
素材の選択肢としては、高反発ウレタンやラテックス素材が向いています。
ラテックス素材は低反発ウレタンのような柔らかさを持ち合わせていますが、適度な弾力で沈み込むことがありません。
横向き寝が多い|やわらかめの低反発ウレタン・ポケットコイル
横向き寝では、肩、腰、膝、肘など、沈み込むポイントが多く、身体のパーツによって荷重が変わるため、やわらかめのマットレスがおすすめです。
寝返りの少ない人は、低反発ウレタンのマットレスを選ぶと、身体を包み込むようにフィットし、心地よい睡眠をサポートしてくれるでしょう。
寝返りの多い人は、ポケットコイルを選ぶことで、一つひとつのバネが柔軟に動くため、スムーズに寝返りが打てます。
自分の体重も考慮して決めよう
先述したように、マットレスは体重に比例して沈み込みが深くなります。
このため、例えば、体格の良い人がやわらかめのマットレスを使用すると、沈み込みすぎて身体に負担がかかる場合があります。
また、細身の人がかためのマットレスを使用すると沈み込みが浅すぎて、これもまた身体に負担がかかってしまう可能性があります。
- かため:体格の良い人やうつぶせ寝が多い人
- ふつう:標準体系の人やあお向け寝が多い人
- やわらかめ:細身の人や横向き寝が多い人
このように、普段の寝姿勢や好みだけでなく、体重も考慮して選ぶのがおすすめです。
ステップ⑤耐久性(寿命)で選ぶ
ステップ5では、「耐久性」で必要なマットレスをさらに絞り込みます。
素材の特徴はステップ2で詳しくお伝えしましたが、それぞれ耐久年数が異なります。
また、各素材によって、耐久性を重視する際の注目ポイントがありますので、この項目で一緒にチェックしていきましょう。
素材別の耐久年数の目安
素材 | 耐久年数の目安 |
---|---|
高反発ウレタン | 6~8年 |
低反発ウレタン | 3~5年 |
ポケットコイル | 8~10年 |
ボンネルコイル | 6~8年 |
ラテックス | 6~8年 |
ファイバー | 6~8年 |
あくまでも目安のため、表にある年数よりももっと長い年数使えることもありますし、思ったよりも短命なこともあります。
必ずしも高価なマットレスが長寿命とは限りませんが、一般的には高価なマットレスのほうが長持ちしやすいでしょう。
あまりにも安いマットレスは、すぐにヘタりが出てきてしまう可能性もあるため、注意しましょう。
ウレタン素材|復元率と密度の高さ
ウレタン素材には主に高反発ウレタンや、低反発ウレタンのマットレスがあります。
ウレタン素材で注目したいのは「復元率」と「密度」です。
復元率とは圧縮試験で何万回と繰り返し圧縮し、どのくらい元に戻るのかを示す数値となります。
とくに長く使いたい場合は、素材の復元率がJIS規格で96%以上が推奨基準です。
復元率は「家庭用品品質表示法」により表示義務が定められているため、商品詳細ページやマットレスのタグで確認できます。
同じく重要なのがウレタンフォームの密度です。
密度は「D(Density)」の単位で表され、数値が高いほど耐久性が高いと見て問題ありません。
ウレタン素材のマットレスは、この密度によって以下のように耐久年数を判断できます。
高反発ウレタン | 低反発ウレタン | 耐久年数の目安 |
---|---|---|
20D以下 | 30D以下 | ~1年程度 |
25D前後 | 35D前後 | 3~5年前後 |
30D前後 | 40D前後 | 5~8年前後 |
40D以上 | 50D以上 | 8年以上 |
コイル素材|炭素の含有量の多さ
ポケットコイルやボンネルコイルなどのコイル素材を使用したマットレスでは、炭素の含有量が多いものを選ぶことで耐久年数を上げることが期待できます。
炭素の含有量は、2024年現在の品質表示法では表示が義務化されていないので、炭素含有量の表示がない商品については、問い合わせて確認してみると良いでしょう。
コイルマットレスの品質表示を見てみると「①SWRH②70③B④硬鋼線A種」などのように表示されていることがあり、これらの表示で商品品質を判断できます。
意味 | 表示内容 | 特徴 |
---|---|---|
①線材の種類 | SWRH=硬鋼線 SWRS=ピアノ線 | SWRH=一般材料 SWRH=高級材料 |
②炭素の含有量 | -(数字で表記) | 数値が高いほど反発力が高く、耐久性も高い |
③マンガン(元素)の含有量 | AまたはB | A=少ない B=多い多いほど耐久性が高い |
④引張強度 | 硬鋼線A/B/C ピアノ線V/A/B | 硬鋼線:(弱)A→B→C(強) ピアノ線:(弱)V→A→B(強) マンガンの含有量に比例していることが多い |
とくに注目すべきは「炭素」と「マンガン」の含有量です。
炭素の含有量は70以上を目安に、マンガンの含有量は「B」と表記されているものを選ぶことで、より高耐久なマットレスを選択できるでしょう。
ラテックス素材|天然ゴムの含有量の多さ
ラテックスマットレスに使われるラテックスは、天然ゴムが使われているものと、合成ゴムが使われているものに分かれます。
合成ゴムが使われたマットレスの方が安価ですが、耐久性が低い傾向にあるため注意が必要です。
ラテックスマットレスを選ぶ際は、天然ゴムの割合ができるたけ高いものを選ぶようにしましょう。
ラテックス素材の割合についても、商品の品質表示欄にて確認できます。
表示 | 天然ゴムの割合 |
---|---|
天然ラテックス100% | 100% |
天然ラテックス | 80%~99%未満 |
合成ラテックス | 80%未満 |
ファイバー素材|復元率の高さ
ファイバー素材のマットレスは、ウレタン素材のマットレスと同様に「復元率」の高さに注目することで、概ね耐久性の高いマットレスを選択できます。
高耐久なファイバーマットレスの復元率は、93%以上が目安です。
ファイバーマットレス自体、安価な商品を選ぶと早期にヘタりが出てきてしまうこともあるので、復元率にも注目して選んでみてくださいね。
ステップ⑥予算で選ぶ
ステップ⑥まで進むと、具体的なメーカーや商品名は抜きにして、どのようなマットレスを購入しようか目ぼしがついている人も多いでしょう。
理想のマットレスが決まったら、次に重要なのが「予算」です。
大まかな判断基準は以下の通りです。
- ~5万円:高いコストパフォーマンスを重視したい
- 5~10万円:寝心地の良さ、耐久性のバランスを重視したい
- 10万円~:最高級の寝心地を重視したい
マットレスの品質は、基本的に価格の高さに比例します。
予算に対して納得いくマットレスを見つけましょう。
~5万円|コスパの良さを重視したい人向け
コストパフォーマンスの高さを重視するなら、5万円以下のマットレスを選びましょう。
3万円~5万円前後であれば、比較的安くても一定の品質を確保したマットレスが選べます。
1万円~2万円以下になると、寝心地の選択肢が少なく、耐久性の低さも懸念されるため、品質表示を入念に確認したうえで、慎重な判断が必要となるでしょう。
5~10万円|寝心地の良さと耐久性のバランスを重視したい人向け
5万円~10万円の予算があれば、寝心地と耐久性のバランスが良く、高品質なマットレスが選べます。
素材やかたさも、好みや寝姿勢によって豊富な商品の中から選ぶことが可能です。
とくにシングル~セミダブルサイズであれば選択肢が豊富です。
ダブルサイズ以上になると、メーカーや素材によっては価格が10万円を超えるものもあり、選択肢は狭まります。
10万円~|最高級の寝心地を追求したい人向け
10万円以上の予算がある場合は、寝心地、耐久性、サイズも自由に選べます。
自分好みで最高級の寝心地と、高い耐久性を求める方は10万円以上の価格帯になるでしょう。
また、最高級とまではいかなくても、ある程度の寝心地の良さを求める方で、ダブルサイズ以上のマットレスが必要な場合は、10万円を超えることも多いです。
ステップ⑦おためし期間や返金保証があるものを選ぶ
最後にチェックしておくべきは「おためし期間」や「返金保証」の有無です。
実店舗で購入する際はもちろんのこと、オンラインで購入するのであれば、なおさら重視しておきたいポイントといえるでしょう。
おためし期間や返金保証があれば、少し高価なマットレスの購入にも踏み切りやすいですよね。
マットレスはどんなに安い商品でもある程度のお金がかかるものですし、失敗すると置き場所にも困ってしまいます。
メーカーによって保証内容や期間が異なるため、入念にチェックしておきましょう。
当サイトおすすめ!人気マットレスランキング
ここでは、当サイトおすすめの人気マットレスランキングTOP4をご紹介します。
いずれも長期間の保証期間と、返金保証またはおためし期間が用意されており、安心して購入できます。
それぞれ魅力的なポイントがたくさんあるので、ぜひ参考にしてくださいね。
エマ・スリープ
- 100日間のおためし期間
- 1~10年の製品保証
- 4つのグレードで予算にあわせた快適なマットレス
エマ・スリープでは、「オリジナルマットレス(49,500円
~)」「ハイブリッドマットレス(59,850円~)」「プレミアムマットレス(79,360円~)」「ラグジュアリーマットレス(245,000円~)」の4つのグレードを用意。
最もグレードの低いオリジナルマットレスにはポケットコイル素材を採用し、シングルサイズ49,500円~購入ができるうえ、安心の10年保証つきです。
グレードが上がるとスプリング上部の詰め物の層が増え、構造もグレードにあわせて変わり、通気性能や体温調節性能が向上します。
100日間のおためし期間もあるので、じっくりと寝心地を試してから判断できます。
人気のマットレスをお手頃価格で使ってみたいという人にもおすすめです。
Limne
- 120日間の返金保証
- 10年の製品保証
- ふわふわのマシュマロのような寝心地
Limneが提供する「LIMNE the Mattress」は、高反発ウレタンでありながらマシュマロのようなふわふわとした寝心地が大きな特徴。
身体の各所の負担を軽減しつつ、沈みすぎない独自の構造を採用し、長時間の睡眠でも疲れにくくなっています。
価格はシングルサイズ79,900円~となっており、珍しい「ワイドダブルサイズ」もラインナップしているのは嬉しいポイントです。
また、関東エリア限定で不要なマットレスの無料引き取りサービスも行っています。
7万円以上の予算があり、ふわふわとした寝心地を追求したい人に、おすすめです。
120日間と長めの返金保証もあるので、安心して購入できます。
NELLマットレス
- 120日間のおためし期間
- 10年間の製品保証
- 寝返りに特化したマットレス
NELLマットレスは福岡県にある老舗マットレス工場と共同開発し、足・腰・頭各所に対して最適なかたさのコイルを使用しているのが特徴。
寝返りを徹底的に研究し、寝返りの打ちやすさと身体への負担が考えられたマットレスとなっています。
睡眠までに何度も寝返りを打って落ち着かない人や、身体の各パーツへの負担が気になる人は、ぜひチェックしてみてください。
価格はシングルサイズ75,000円から。オリジナルのカートンボックスに圧縮し、コンパクトな梱包で配送してくれるのも嬉しいですね。
コアラマットレス
- 120日間のおためし期間
- 10年間の長期保証
- 3つのグレードで予算と寝心地にあわせたマットレス
コアラマットレスには「オリジナルコアラマットレス(69,900円
~)」「コアラマットレス KORE(99,000円
~)」「コアラマットレス BREEZE(129,900円~)」の3つのグレードを用意。
「KORE」「BREEZE」モデルは両面仕様となっており、「ふつう」と「かため」のかたさ調節が可能です。
ハイグレードの「BREEZE」モデルには吸湿発散技術を使用し、熱がこもるのを防ぎます。
コアラマットレスは「ふんわり」というよりも、ほどよい弾力性が特徴です。
電話・メール・ライブチャットを使用した手厚いサポート、同等品マットレスの引き取り、東京都23区と大阪府限定の当日配送など、サービスが充実しているのも魅力的ですね。
マットレスを買い替えるべきタイミングはいつ?
どのようなマットレスでも、長年使用していると少なからず劣化を感じてくるもの。
ここでは、マットレスを買い替える目安となるポイントや、古いマットレスを処分する方法について解説します。
買い替えの目安となるポイント
マットレスの耐久性は素材や環境、使用方法などによって異なりますが、主に以下のような現象が目立ち始めたときに、買い替えを判断すると良いでしょう。
- 形状が劣化している(素材のへたり)
- 以前よりも身体が深く沈んで寝返りが打ちにくい
- コイルからギシギシと軋み音が鳴る
- 寝姿勢や素材の好みが大きく変わった
とくに形状の劣化や、必要以上の沈み込みが見られる場合、身体を痛めたりすることもありますので、できるだけ早めに買い換えていただくのがおすすめです。
古いマットレスを処分する方法
マットレスの処分方法はいくつかあります。
- 自治体の処分場へ持ち込む
- 自治体の処分方法に従って燃やすごみ、不燃ごみとして捨てる
- 回収、引き取りサービスを利用する
- 他人に譲る、売却する
マットレスはサイズが大きく、処分場へ持ち込んだり、燃やすごみ、不燃ごみとして捨てたりする場合は、有料となることが多いです。
おすすめの処分方法は引き取りサービスを利用することです。
この記事でご紹介したマットレスメーカーの中では、Limne(関東限定)と、コアラマットレスにて、マットレスの購入と同時に無料引き取りを行ってくれますよ。
マットレスを購入する際の注意点
マットレスは少なからずお金のかかる生活用品です。買ってから後悔しないためにも、以下の注意点を理解し、自分にピッタリなマットレスを購入しましょう!
- できるだけ定番のサイズから選ぶ
- マットレスを直置きするなら湿気対策が必須
- ベッドフレームにマットレスが収まるか確認する
- マットレスを置いたときの部屋のレイアウトを考える
できるだけ定番のサイズから選ぶ
定番サイズ | 主な寸法 |
---|---|
シングル | 幅97×長さ195cm |
セミダブル | 幅120cm×長さ195cm |
ダブル | 幅140cm×長さ195cm |
クイーン | 幅170cm×長さ195cm |
冒頭でご紹介したように、マットレスにはセミシングルやワイドダブルなどのサイズもありますが、表にある4種類が主な定番サイズといえるでしょう。
もちろんご自身の状況に最適なサイズを選択することが重要ですが、ベッドフレームやパッド、シーツなどの選択肢を考えると、できるだけ上記の定番サイズから選ぶことをおすすめします。
また、近年では運賃の高騰などもふまえ、クイーンサイズについてはセミシングルサイズのマットレスを2台連結させる仕様の商品も増えつつあるようです。
キングサイズも取扱いがそれほど多くないため、シングルサイズを2台並べて対応したほうが利便性が高いケースもあります。
マットレスを直置きするなら湿気対策が必須
ベッドフレームの場合、通気性を考慮して床板に隙間を設けている製品が多いです。
一方で、床に直置きする場合はどうしてもマットレスの内部に湿気がこもりやすく、カビやダニが繁殖しやすくなってしまいます。
また、湿気はへたりの原因にもなり得るため、マットレスを直置きする人は湿気対策が必要です。
マットレスを直置きする際の湿気対策としては、以下のような方法が挙げられます。
- 最低でも週に1回(できれば毎日)マットレスを立てる
- 布団乾燥機を使う
- ベッドパッドを使って寝汗を吸収させる
- マットレスの下に除湿シートを敷く
マットレスを立てる時間が取れない場合には、布団乾燥機を使って除湿したり、洗濯可能なベッドパッドを使って寝汗を吸収したりするなどの方法が有効的です。
ベッドフレームを購入する予算がない場合は、シンプルなすのこベッドを購入するのも良いでしょう。
ベッドフレームにマットレスが収まるか確認する
ベッドフレームの上にマットレスを設置して利用する場合は、ベッドフレームとマットレスのサイズが合っているかを確認しましょう。
また、横×縦幅のサイズ感も重要です。しかし、ヘッドボードがついたベッドフレームの場合、厚さのないマットレスを設置すると、不格好になってしまうこともあります。
機能的、見た目的の両側面から、収まりの良さをチェックすることをおすすめします。
マットレスを置いたときの部屋のレイアウトを考える
部屋にマットレスを置いたとき、レイアウトに問題がないかをイメージしましょう。
例えば正方形の4畳間の場合、一辺は255cmとなるため、横幅170cmのクイーンサイズマットレスを置くと、歩くスペースがほとんどなくなってしまいます。
この例では、ドアの開閉や移動、収納スペースなどを考慮し、横幅140cmほどのダブルサイズまでに収めるのが妥当といえるでしょう。
マットレスを設置する部屋の間取りと、マットレスのサイズを比較しておくことで、失敗しにくくなります。
マットレス選びに関するよくある質問
最後に、マットレス選びに関するよくある質問と回答をいくつかまとめました。
- Q.正しい寝姿勢ってどんな状態のこと?
- Q.マットレスと敷布団の違いは?
- Q.腰痛対策に向いているマットレスは?
- Q.肩こり対策に向いているマットレスは?
- Q.マットレスを長持ちさせるためのお手入れのコツは?
気になる項目があれば参考にしてくださいね。
まとめ
人生の3分の1は睡眠時間といわれている中、睡眠と関わりの深いマットレス選びは非常に重要です。
- 体格・人数に合わせてサイズを選ぶ
- 性能・好みに合わせて素材を選ぶ
- 用途・体重に合わせて厚さを選ぶ
- 寝姿勢・体重に合わせてかたさを選ぶ
- 耐久性(寿命)で選ぶ
- 予算で選ぶ
- おためし期間や返金保証があるものを選ぶ
今回記事で解説した、7つのステップから順番に絞り込んでいくことで、自身にピッタリなマットレスが見つかります。
マットレスは安い買い物ではないので、ぜひじっくりと厳選し、心地のよい睡眠時間を手に入れてください。
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