第2図からの指し手
△1二玉 ▲2九飛 △2三銀 ▲1五歩
△同 歩 ▲2五桂 △2四銀右▲4五歩
△2二金 ▲1三歩 △同 桂 ▲同桂成
△同 銀 (第3図)
弱気は禁物
△1二玉では△2四歩を予想していたのですが、堂々の指し回し。
飛車筋が通ったままなので、指しにくいと思っていましたが、読みを外された形です。やっていらっしゃいと言われると、意外と手が限られていることに気がつきました。
ここで気がつくようでは、遅いかもしれませんが……。
▲1五歩と突き捨て、△同歩に▲2五桂としました。
▲2五桂では▲1四歩の方が良かったかも。
△同銀ならば、▲2五銀と指して良い勝負になりそうです。
△2二金で顔を上げると、清水さんの落ち着いた表情が目に入りました。
いつも思うのですが、清水さんの対局中の姿勢は凛としていて、綺麗だと思います。
清水さんの「天辺」を読み、女流棋士としての心構えに感動しました。
ファンに優しく、常に努力をする姿勢を惜しまない姿は、私たち若手の目標です。
△2二金と指された瞬間は、何かありそうだと思っていたのですが、読むうちに容易でないことに気づきました。読んでいくうちに、どの攻めも少し足りないように思えてきて、自信がなくなってきたのです。
ですが、この局面で弱気にはなれないと思い、▲1三歩から攻め続けたのですが、△同銀(第3図)となった局面は攻めが止まってしまったと感じました。
第3図からの指し手
▲5六金 △2四歩 ▲4四歩 △同 金
▲4五銀 △5五桂 ▲4四銀 △同 角
▲4五金 △4八歩 ▲同 金 △4七歩
▲5八金 (第4図)
覚悟を決めて
落ち込みそうになりましたが、気を取り直して▲5六金。
守りの金を攻めに使う手ですが、他に手段が見えませんでした。
しかし、いつまでも攻め続けられるわけはありません。
▲4五金と出た瞬間に、すかさず△5五桂と角道を止められてしまいました。
予想はしていましたが、やはり嫌な手です。
先ほど渡した自分の歩で、△4八歩から△4七歩と形を乱されたときは、
ため息をつきたくなりました。
対局中に後悔しても、良いことはありません。
危ないとは思いましたが覚悟を決めて▲5八金(第4図)と寄りました。