第4図以下の指し手
▲2七金 △同歩成 ▲4三飛成△同 金
▲3二角 △4一飛打▲8六歩 △4二金
▲4一角成△同 飛 ▲3五歩 △5二金
▲2二飛 △4二飛▲2七飛成△4九飛成
▲8五歩 △同 歩 ▲7六桂△6二金左
▲8四歩 △9二銀 ▲2一龍 △3六角
▲1一龍 △4一歩 ▲9五歩(第5図)
射程に入る
第4図。
ここでも▲8六歩があった。
後手は△3七馬▲同桂△2七歩成としてくるが、本譜のように進めて、
後に▲4五桂と跳ねられる筋もあって有望だった。
▲4三飛成は、中井自身「感触が悪い」としながらも、
後手の2筋突破が確実な状況下では、ゆっくりできないゆえの突進だ。
▲3二角の飛金両取りに△4一飛打が手筋の受け。
△4二金▲4一角成△同飛となった局面は、金桂交換で里見の駒得になっている。
第2図から桂得を主張したかった先手だが、後手の指し回しが巧妙だった。
第5図以下の指し手
△6九角成▲同 銀 △5九龍 ▲4一龍
△6九龍 ▲8三香 △同 銀 ▲同歩成
△同 金 ▲7一銀 △9二玉 ▲8四桂
△9三玉 ▲9四歩 △8四玉 ▲9五角
△7五玉 ▲4五龍△5五香▲6二銀不成
△8七金 (投了図)
まで108手で里見の勝ち
進んで第5図。
先手は図直前の▲1一龍から一分将棋だ。
▲9五歩と端を突き、間違えたら許さないと半ばゲタを預けた。
里見は第5図を考慮中に記録係から「残り20分です」と告げられた。
里見は小さく2、3度うなずく。
「出雲のイナズマ」が落下点を見定めていた。