彦坂直人九段 ~華麗なる石の動き~
彦坂先生には院生になった頃からとてつもなくお世話になっています。碁はもちろん、私生活でもごはんに連れて行っていただいたことは数知れず、人生相談にも何度も乗っていただいています。パッと見、怖い! と感じるかもしれない風貌ですが(先生、ごめんなさい!) たぶん僕の所属している中部総本部で一番やさしい先生だと思います。
しかし碁はとても厳しく、そして華麗なイメージです。
テーマ図
彦坂先生白番の碁。現在、黒Aとオサえた局面です。全局を見渡す と、なかなかに黒地も多く、弱い石もないため「何をしていいのか分か らない」局面。
ここから白番の彦坂先生が見事な打ち回しであっという間に白優勢へと持ち込んでいきます。
実戦1
白1から仕掛けていきました。黒2、4と、今打ったばかりの白石を持ち込みにさせようと、大きく取りにきました。
実戦2
ここで一転、白1と下辺の薄みを狙い、黒2の時に今度は白3と中央へ。
いったい何をやっているのでしょう(笑)。
1図
1図、直接白1、3のように逃げ出そうとしても、ただ取られるだけです。
2図
2図、その後、白aと打っても黒bとは打ってくれず、黒cのように頑張られてしまいます。
実戦は、白a、黒bを先に打っていて捨て石にできそうな気配があります。