甲斐智美女流二段インタビュー


華やかさに強さが加わって。
マイナビ女子オープンは“魅せる棋戦”です。

自他ともに認めるおっとりと柔和な印象の甲斐智美さんですが、
甘い声と愛くるしい瞳にまどわされてはいけません。
おっとり型とはつまり、なにがあっても動じないマイペースの証なのです。
マイナビ女子オープンでは、
内に秘めたしなやかな精神力でタイトル戦に初めて挑みます。

■管理されたり縛られるのが苦手なので、寛容な人が好きです。

----- 今期は20勝7敗、勝率7割4分1厘(2/28時点)の好成績ですね。

以前より、勝ち負けで喜びすぎたり落ち込みすぎたりしなくなって、
安定した 精神状態で対局に向かえていることが、 好調子にむすびついているのかもしれません。

対局が近づくと将棋のことは考えないように、頭の中をスッキリさせたいのですが、
つい、なんでも将棋に置き換えてしまうクセがあります。
例えば、相撲が好きでよく見ますが、立ち会い変化の後にがっぷり四つに組んだり、
昔は力勝負だったのが瞬発力がものをいう勝負に移ったところなんかも、
将棋と通じるなあとか。

外から見ると勝ち負けだけの世界にみえるかもしれないけれど、
やってる本人はそれ以外にも得たり失ったりするものがあるわけで、
そういうところも共通するなあって。

----- ふんわりやわらかい印象の甲斐さんが、脳の格闘技といわれる勝負の世界の人なのはなんだか意外です。

子供の頃から考え続けるのは好きでした。
ふと素朴な疑問が浮かんだら心の隅でずーっと気にしているような。

性格は、いつも、おっとりしてるねと言われるんです。
心配になるくらい天然だと思われているらしいですけど、その通りなんですけど、
人が思っているよりは、…実は毒舌家かな(笑)。

----- キュートな甲斐さんに甘えられたりしたら、ほとんどの男性が言いなりになってしまうんじゃないかと思うのですが、好きな男性のタイプは。

精神的に自由な気持ちでいられるような、人に対して寛容な人かな。
わたしは管理されるのが好きじゃないんです。

女の人はこうあるべきだとか固定観念に縛られている人は苦手ですね。
外見にはこだわりませんが、声を聞いて、あ!いいな!とピンとくることはあります。

師匠の中原先生は、こうしろああしろと一切口を出さない方なんです。
本人が頑張るしかないのだからと、成績のことも勉強法についてもまったく言われたことがありません。
いろいろ悩んだ時期もあったけど、そんなときにただ見守ってくださったのが、
わたしにはとてもよかった。
それでいて普段なにげなくお話しをしている師匠の言葉には、
さすが名人になる人は器の大きさが違う!と感じ入るものがあるんですよ。



矢内インタビュー  
甲斐インタビュー  

第1局は4月3日に「陣屋」で

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