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新刊案内『やさしく語る 碁の大局観』 ~人気シリーズの最新作!~

5月23日発売の新刊『やさしく語る 碁の大局観』の内容紹介です。

こんにちは。囲碁編集部の山本です。

今日は5月の新刊第2弾!
白石勇一著 『やさしく語る 碁の大局観』


白石ブログでお馴染みの白石先生による新作。「やさしく語るシリーズ」も記念すべき3作目になりました。
今回のテーマは「大局観」です。

皆さん、「大局観」と聞くとどのようなイメージを持っていますか?
ちなみに私は、こちらが定石に外れた手や捨石などを使うと必ず「大局観!」とボヤいてくるかつての囲碁仲間を思い出し、あまり良いイメージを持っていません(どうでもいい)。

一般用語としても使われる言葉ですが、囲碁で使うと以下の通りでしょう(本文の引用)。
大局(碁盤全体)を観て、やるべきことを判断する能力

めちゃくちゃ大事じゃないですか!!!
しかし、大局観てどうやって磨けばいいのでしょうか? やっぱり棋譜並べ???

白石先生の方法論は斬新かつ実用的です。
「置き碁の白番で磨きなさい」と。

確かに、置き碁の白番は不利な局面であることがほとんどなので、互先以上に作戦の立て方が重要な気がします。また、対局者間の棋力差を考慮して、互先以上に立てた作戦の効果が得られやすい、という点も一つ大きなポイントかもしれません。

それでは早速、例題を見ていきましょう。

4子局で、黒1~7までとなった局面。
△の断点が気になりますが、□の大場に黒に回られるのも苦しい場面。相手を「大局観!」と唸らせる白の打ち回しを考えてみてください。


では、と白1と大場に打つのは今ひとつ。黒6までとなった局面は白に楽しみがないのですね。逆に黒からは△の一団への攻めや□の打ち込みが残っています。


白1のカケツギは部分的には正着です。しかし、黒2の大場に回られてしまいます。白3の三々から右下の黒をいじめようとしても、黒10まで空振っています。
しかし、正解のヒントは本図に隠れています。分からなかった方は本図を参考にもう一度考えてみてください。





「前図の白3~9までとなるなら、1のカケツギがいらない・・・?」と思ったそこのあなた。正解です。白1が工夫の一着。黒8、10の受けは根拠の要点なので仕方なし。隅に根拠ができたことで、△の断点を先手で補強し、白11に回れたというわけです。


当然、黒4とオサえてくる変化も考えておかなければなりません。一例ですが、白11までとなれば、仮に黒に左下に回られても白Aと分断する狙いが残ります。
失敗図としてあげた2つの図よりも、白にチャンスが残っていることが分かります。

いかがでしょうか?
不利な局面をいかに打開していくか、という作戦を考えるのも楽しいものではないでしょうか?
今回紹介した「相手の弱い石を攻撃することで、自分の弱点をぼかす」という作戦は互先にも当然応用できます。

本書にはいろいろな問題が収録されており、解いていくと、大局観の考え方や使い方(どのように作戦を立てていくか)を身につけられるようになっています。

レベルアップを目論む方にはオススメです!!!
よろしくお願いいたします。

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