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ディープラーニングはどこが違うのか?(1) ~「天頂の囲碁6 Zen」発売カウントダウン企画

「ディープラーニング」という手法がコンピュータ囲碁界に革命をもたらしたことは、本ブログをご覧になっている方ならよくご存知のことでしょう。10年間に相当する進化を一気にもたらしたディープラーニングとはいったい何者なのか、何回か取り上げていきたいと思います。

天頂の囲碁6 Zen」が6月3日に発売されます。

「天頂の囲碁6 Zen」は、ディープラーニングを取り入れることで、KGSの段位換算で一気に二段分(五段→七段)の強化を果たしました。
前作との自己対戦勝率は95%という数字を叩き出しています。

勝率95%です!
20戦して19勝1敗。100戦したら95勝5敗。完全に手合い違いの差です。
進歩したというより、ディープラーニングによってまったく新しいソフトに生まれ変わったといったほうが適切かもしれません。

これだけの違いがどこで生まれたのか、その違いを測るため、前作「天頂の囲碁5」と対局させ、それぞれの評価を比べてみました。

黒が天頂の囲碁5(以下「天頂5」、白が天頂の囲碁6 Zen(以下「天頂6」)です。条件を同一にするため、どちらも考慮時間5秒の設定で対局させています。

図1

序盤でややリードを奪った白の天頂6、しかし黒も左上でポイントを上げて微差でくらいついています。

図2

黒129が失着。この手を境に天頂6は自分の優勢を意識しました。黒の天頂5は中央の黒3子が飲み込まれても、黒137の切りに期待してバランスが取れていると考えていたようですが、白144と打たれて非勢を意識しました。
最終的には天頂6の24目半勝ちという結果に終わっています。

さて、この対局のそれぞれの形勢評価をグラフで表してみました。

縦軸は黒から見た評価値です。50が互角。40なら白有利、30なら白優勢です。
だいたい同じような推移をたどっているようですが、よく見てみると130手目から140手目のあたり、天頂6が10手ほど早く優位になったと思っているのがわかります。
形勢の違いに気づくのが10手早い。これが大きな違いなのはお分かりいただけるかと思います。

もうひとつ、天頂5のグラフをよく見てみると、150手目から230手目ぐらいにかけて、瞬間的に大きく上がってはすぐに大幅に下降するという動きを繰り返しつつ徐々に下がっていっています。
これは、
「あれ?ひょっとしてイケるんじゃね?」→「ああ、やっぱダメか」
っていう気持ちの現れですね。
そう思うと、コンピュータにもちょっと親近感が湧きますね。

それに比べて天頂6のグラフはその振れ幅が少なく、実に冷静に着実に優位を拡大していることがわかります。

結果以上に、このグラフのブレの少なさが、大幅な棋力向上の一つの証左になっているといえるでしょう。