2013.11.29
いよいよ、12月初旬に見頃を迎える「アイソン(ISON)彗星」。29日に太陽にもっとも接近することになっていましたが、崩壊・蒸発して消滅したのではないかという発表が、NASA(アメリカ航空宇宙局)からありました。ここしばらくは暗くなったり明るくなったりと変化しており、その状態が心配されていましたが、米国時間の28日に太陽&太陽圏観測衛星「SOHO(Solar and Heliospheric Observatory/1995年12月打ち上げ/高度約150万km)」が撮影した画像には線上のものしか見ることができず、その後は太陽観測衛星「SDO(Solar Dynamics Observatory/2010年2月打ち上げ/高度約3万6000km)」でその姿を捉えられるはずでしたが、確認できていないということです。
アイソン彗星は、25日頃にはいったん暗くなったため崩壊したのではないかと言われていましたが、27日頃には明るくなって接近している姿が確認されており、そのまま最接近して生き残ることができれば、12月6日あたりから見事な尾を引いた姿を肉眼でも見えるのではないかと期待されていました。ところが、米国時間の28日の時点で太陽に近づく様子が確認されて太陽に近づいていたにもかかわらず、太陽をぐるりと回った後は線のようなものが見えるだけです。NASAのビデオ映像を見ていただくとわかりますが、太陽に隠れた次の瞬間に線のようなものが伸びていますが、彗星らしい姿はないように感じられます。やはり、核が崩壊した可能性が高いのでしょう。

国立天文台副台長渡部潤一氏が以前に言われていた「彗星は実際に来てみないとわからない」という言葉が思い出されます。アイソン彗星は、暗くなったり明るくなったり、そして消滅…この1週間はまさにそれでした。今回は残念な結果に終わりそうですが、これもまた彗星観測の醍醐味と言えるでしょう。今年、ロシアのチェリャビンスク州に突然落下した隕石のように宇宙から飛来する物体は、現在の科学をもってしてもなかなか予測や発見が難しいジャンルです。近いうちに次の大きな彗星が発見される可能性も充分ありますので、次の機会を待ちたいと思います。
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