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新刊案内『棋風別!あなたに合った囲碁上達法』 第2回「今村俊也九段 ~厚みの活用法~」

『棋風別!あなたに合った囲碁上達法』が6月12日に発売されます。
本書は、さまざまなトップ棋士の魅力的で特徴的な打ち筋を紹介することで上達に役立てようというものです。
たとえば武宮正樹九段なら「大きな陣地を作る」、羽根直樹九段なら「大局観を学ぶ」などと、棋士ごとにテーマを絞って、著者の下島陽平八段がトップ棋士たちの魅力を存分に語っています。

碁空では、5回にわたり本書の内容の一部をご紹介します。

今村俊也九段 ~厚みの活用法~

「世界一厚い碁」。今村先生といえば、この言葉が代名詞。いったいどれだけ厚いのでしょう。世界一厚いというと、ものすごく厚そうです。石の上に石を重ねるが如く? 丸ごとのハムのような?
とにかく、すごく厚いということを表現しています。


1図

例えば1図の局面。上辺方面にパラパラと配置してある白石。このまま放っておくと黒aなどと弱みにつけ込んで来られそうですが、世界一厚い碁にかかると、2図白1から5と、たちまち白が厚くなり、逆に上辺の黒3子が弱く見えてきます。こうなって来ると「世界一厚い碁」というより「宇宙一厚い碁」と呼ぶべきかもしれません。


2図



3図

さらに次の3図の場面。現在、△に打ったところですが、次の黒の一手を皆さんにも考えてほしい。僕はこの碁をリアルタイムで見学してましたが、「左下の白に仕掛けたりするんだろうか?」とか、「上辺に仕掛ける手はないだろうか?」とか、「やっていく手」を考えていました。

実際に今村九段が打ったのは4図。厚い! 実に厚い!!
もはや「厚い」というより「暑い」。


4図

さて、このように厚く打つというのは反面、「遅くなる」恐れがあるので勇気が必要だという意味もあります。厚く打っておいてそれを生かして「回収」することが大切であり、それが今村先生の真骨頂とも言えるのです。

問題図 白番



現在、黒が1と打ったところです。今村九段はここでどのように厚みを作り、回収をしていったのでしょう?
まずは、白番で次の一手は?


※解答と解説は、本書内に掲載しています。
 
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