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「戦って勝つ囲碁~石の形で全てが決まる~」―読まなくても戦いに勝つ法― 

みなさま、こんにちは。囲碁編集部の山本です。

本日は、新刊の内容紹介を行いたいと思います。

明日7月14日(木)発売、中野寛也九段『戦って勝つ囲碁 ~石の形で全てが決まる~』


まず何より、カバーがかっこよくないですか?かっこいいですよね?本当にかっこいいです。(ボキャ貧)

著者の中野先生は、日本一戦いが好きな先生と言っても過言ではないと思います(笑)テレビ対局でもおなじみなので、先生の碁を見たことがある方も多いのではないでしょうか。あんな風に盤上で戦い尽くして、しかも碁に勝てたら楽しいですよね。

というわけで、アマにも分かるような「戦いで勝てる秘訣」を先生に聞いてきました。その名も『戦って勝つ囲碁』。短絡て・・・いや非常にシンプルで良い書名だと思います。


みなさん、戦いというとどんなイメージを持たれているでしょうか?
「愚形でも何でもいいから切っていくこと」、「読みの力がないと始まらない」、「最後は勢い」などなど、とにかく難しくて先が見えないというイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか?
しかし、戦いにも判断基準やここを意識すれば上手くいくというポイントがあるんです。それが本書の第1章と第2章で取り上げている「石の形」と「石の方向」です。

こちらをご覧ください。第1章の「石の形」の問題です。

黒番です。左上の白の形には、逃せない急所があります。


黒1の急所はご存知の方も多いでしょう。ここに打つことで、白はどうやっても愚形になるのです。


白1と守るくらいですが、この形がすでにアキ三角の愚形です。続いて黒2とトンで・・・


黒6までが一例です。白の形はアキ三角が二つできてしまっており、全体の眼もありません。黒は2から4で上辺も盛り上がっており、白全体への攻めが狙えていいことしかありません。
白の形の急所を突いたことで、黒は戦いを有利に進めることができました。


黒1、3はソッポで、白4と形の急所を守られてしまいます。どうでしょう?白の形の眼形が増えて強い石になりました。逆に左辺の黒石はぽつんと浮いた弱い石になってしまっていますね。弱い石があることで、黒は下辺の白模様に入っていきづらく、上辺も上手くまとめられないでしょう。


第2章は「石の方向」です。こちらは、戦いを起こすべきではない場面(自分のほうが弱い場面)で戦いの手を選んでしまう失敗をなくすための章です。


黒番です。左辺の黒に迫っている白一子に対しては、どんな態度で臨むのがよいでしょうか。左上の黒の一団の強弱をどう判断するかがポイントです。


力自慢の方は黒1とハサミたくなるのではないでしょうか。しかし、白6までと進むと左上の黒の一団が危険になります。黒1の方向がおかしく、これはもう黒が勝てないでしょう。


黒1と上からかぶせるのが正解です。白2と守られてしまいますが、黒3と下辺の大場を占めると中央から右辺と下辺にかけて何となく黒模様が出現します。左上の黒も前図に比べて大分余裕のある形です。

2問見ていただきましたが、「形」と「方向」は戦いにおいて非常に重要だということが分かったかと思います。中々、戦いに結びつくイメージはないかもしれませんが、戦いで失敗する原因のほとんどが「形」と「方向」に関することなのです!

3章と4章は「利きと利かしのテクニック」と「隅への侵略」です。ここではいろいろな形の急所と実戦ですぐに使える手筋を覚えることができます。
仕上げとして、5章で中野先生の実戦譜(指導碁)を見て、本書の内容の復習ができます。


「力自慢の碁敵が苦手な方」、「戦いが好きだけど上手にはなぜか通じない方」など、戦いに悩む全ての囲碁ファンに読んでいただきたい書籍です。

それでは!