こんにちは。持ち歌は「燃えよドラゴンズ!」、愛知県出身の編集部山本です。
今日は8月18日発売の新刊案内。
依田紀基九段著
「依田流アルファ碁研究 ―よみがえる、呉清源・道策」
本書の主人公は、「Master」「呉清源」「本因坊道策」の3棋士。
それぞれの棋譜を解説し、それぞれのすごいところをピックアップしているわけですが、
何でこの組み合わせ? と思った方も多いのではないでしょうか?
それは、「Master」が現れた当初、「肩ツキ」が呉清源九段に、「中国流でのサバキ」が本因坊道策に似ていると話題になったからです。
トップ棋士に60連勝を収めた最強囲碁AIが、
日本を代表する大棋士を彷彿とさせるといわれたら、囲碁ファンなら誰しもが気になるところでしょう。
そんなわけで、棋士随一の古碁研究家、依田九段に本書の打診をしてみたところ快諾をいただくことができました。依田先生、本当にありがとうございました。
それでは早速、内容紹介を、、、と入る前に
2ヶ月前の記事であるクイズを出しました。
Q.道策の手法を参考にして、世界戦で見事に勝利した日本の棋士は?
そう、本書の著者でもある、依田紀基九段です。

舞台は、第7回農心杯。日本・韓国・中国のトップ棋士が出場する団体勝ち抜き戦です。主将として出場した依田九段が、最後に韓国・中国相手に三連勝を収めて、日本が唯一優勝した大会です。
中国の主将・孔傑七段(当時)戦。白番の依田九段は、白1~3のサバキを見せました。道策やMasterのサバキと似ていますね。
大一番で勝利した碁ということもあり、印象に強く残っているそうです。(詳しい解説や本局のポイントは本書でご確認ください!)
続いて、個人的に「超つえ~~~~」と思った、呉清源先生の一局。

呉先生の白番。黒△と囲われた場面ですが、ここから、、、

こうなる。
発展しそうだった下辺の黒地は、凝り形に。右下はなぜか白地に。不安定だった右辺の白もしっかり治まり形。さらに、白からa、b、cの気持ちいい利かしが残っています。
何があったのでしょうか(笑)
堂々としたサバキっぷりと、いつの間にか形勢が傾いている感覚は、Masterの碁を並べているときによく陥る感覚です。

その魔法はこの白1のツケから始まるのですが、、、続きは本書をご覧ください。
最近、依田九段はAIの碁の研究も入念に行っているそうで、
アルファ碁の自己対戦譜をよく並べているそうです。
(本書でも数局紹介しています!)
依田九段でもアルファ碁の打つ手の意味が分からないことがあるといい、そんな時に思い出す言葉が
「考えるな、感じろ!」。
理屈がわからない時でも、何かを感じることを意識しながら並べているそうです。
棋譜並べは、お手本を見ることで、正しい石の形や一局の流れを学ぶ勉強法ですが、それはアマチュアでもトップ棋士でも変わらないのですね。
本書には、依田九段の解説もついていますので、足りない部分は解説で補いながら、碁盤に並べて楽しんでください!
それでは、よろしくお願いいたします!
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