良い本の条件とは? 私は、
読んで「行動が変わる」本が「良い本」と考えます。考え方が変わっても、行動が変わらなければ、全く人生は変わりませんから。
その点で言うと、
『脳を鍛えるには運動しかない! 』(NHK出版、ジョンJ.レイティ エリック・ヘイガーマン 著、野中香方子 訳)は、私の人生の中でも「最も良い本」、最も影響を受けた本の一冊となります。
なぜならば、この本を読んで、週2回の運動が、現在、週4~5回に増えたと同時に、頭脳明晰、気力、体力ともに最高の状態になっているからです。
ほとんど人は、運動に対して間違った考えを持っています。「ダイエットのためには、運動よりも食事が重要。運動によるカロリー燃焼は微々たるもの」といった話をテレビや雑誌でよくみかけます。「運動は、ダイエットのため」と思っている人が多いのです。
運動はダイエットのためにするものではありません。
運動は、健康のためです。
運動することで、
生活習慣病やメンタル疾患を予防することができます。
単に病気にならないという以上に、体調がよくなり、頭脳も明晰になるのです。
特に、精神科医である私にとって重要なのは、
「運動すると頭がよくなる!」ということです。
運動すると
脳の機能が高まり、集中力や学習機能が高まり、学校の成績がよくなる。つまり、「運動すると頭がよくなる!」ということを、この本では数百もの論文を引用し、圧倒的な説得力で実証しているのです。
運動の脳に対する効果をここまで明確にまとめた本は、初めてであり、画期的。さらに、この本を読むと、「猛烈に運動がしたくなる」。つまり、「読むと健康になる本」ということで、画期的な一冊だと思います。
『脳を鍛えるには運動しかない! 』の中から、私が「おもしろい!」と思った「気付き」ポイントをいくつかピックアップします。
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脳の学習、記憶、成長に不可欠な物質"BDNF(脳由来神経栄養因子)"が、運動によって分泌する。
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運動をさせた子供は、17%も成績が上がった。
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運動を週2回以上続ければ、認知症になる確率が半分になる。
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毎週50分の運動で、うつにな確率が50%も低下する。
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たとえ高齢者であっても、運動によって脳の容量を増やすことができる。
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がんの最も明らかな危険因子は運動不足。よく運動する人が結腸がんにかかる確率は、そうでない人の50%以下。
運動は、身体疾患、メンタル疾患の予防に絶大な効果があるのです。さらに、脳を活性化し、記憶、学習能力をアップさせる。つまり、
「運動すると頭がよくなる!」のです。
あなたは、運動しますか? それとも、運動しませんか?
『脳を鍛えるには運動しかない! 』を読めば、あなたも猛烈に運動がしたくなるはずです。
執筆者の近著
ムダにならない勉強法
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