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熱中症ミニ知識

熱中症ミニ知識(3)- エアコンの設定温度を28度にすると危険領域?

「エアコンの設定温度は28度にしましょう」という政府の方針がありますが、「なぜ28度?」と疑問を持たれた方も多いのではないでしょうか。

2012年の夏も「節電」が重要なテーマとなっています。特に昨年の夏は震災の影響による非常事態ということもあって国を挙げて節電に取り組みました。その中で「エアコンの設定温度は28度にしましょう」という政府の方針を覚えていらっしゃると思いますが、「なぜ28度?」と疑問を持たれた方も多いのではないでしょうか。

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7月まであと少しですね。

実はこの28度の根拠はかなり曖昧で、労働安全衛生法事務所衛生基準規則建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令に書かれている「28度以下」という数値が元になっていると言われています。

2011年の夏は15%の節電という高い目標を達成するためにエアコンの設定温度を28度にすること自体は仕方のないことだったと思います。しかし、この方針を打ち出した当初は、湿度が高いと危険性が増すことをきちんと政府や東京電力が説明していなかったように感じています。直接このことが関連しているかどうかはわかりませんが、実際に6月時の熱中症による救急搬送は猛暑だった2010年の2276人のおよそ3倍以上の6980人となっています。

では、エアコンの設定を28度にした場合にどれぐらいの湿度の高さから危険になるのでしょうか。労働安全衛生法事務所衛生基準規則と建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令には「17度以上28度以下及び相対湿度が40%以上70%以下」と書かれています。

前回紹介したヒートインデックス表を見ると28度という気温そのものが注意の領域になっており、85%以上で特に注意と示されています。必ずしも28度の気温で熱中症になるというわけでもありませんが、幼児や年配の方、体調不良の方、暑さに慣れていない方は熱中症になりやすいので、湿度が70%~80%を超すようなら注意が必要です。

ところが昨年は、政府や東京電力だけでなく、テレビの報道でも28度に設定することだけを強調して、湿度についてはほとんど触れていませんでした。それどころか、「被災地が大変な時にエアコンなんて使用するのは以ての外だ」というニュアンスの発言をするコメンテーターが多数いたことを記憶しています。

政府、東京電力、そしてマスコミの思慮の足りない行いによって「何が何でも28度以上に設定しなくては」ということだけが国民の意識に強く植え付けられてしまい、やがてそれが「エアコンを使用することは悪い事である」という間違った認識につながってしまったような気がしてなりません。

節電は重要なことです。しかし、命を危険にさらす必要はありません。無理のない範囲で実行していくことが大切だと思います。エアコンの温度を高めに設定しても扇風機を併用することで熱中症のリスクを減らす方法もありますが、とにかく、温度だけでなく湿度も同時に測定しながら、安全で効率の良い節電を心がけてください。

熱中症対策ガイドに付属している携帯型熱中指標計「見守りっち」のように温度と湿度の両方が測定できる計測器が便利なのでおすすめです。

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「見守りっち」は温度と湿度が同時に測定できます。

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