2012.06.18
熱中症ミニ知識(2)- 気温と湿度の関係で危険性が決まる
極端な言い方ですが、熱中症の危険性は気温と湿度によって決まると言っても過言ではありません。もちろん、他の要素も絡んできますが、まず大切なのはこの2つです。
2012.06.18
極端な言い方ですが、熱中症の危険性は気温と湿度によって決まると言っても過言ではありません。もちろん、他の要素も絡んできますが、まず大切なのはこの2つです。
極端な言い方ですが、熱中症の危険性は気温と湿度によって決まると言っても過言ではありません。もちろん、他の要素も絡んできますが、まず大切なのはこの2つです。
ところが、気温に注意は払っていても湿度を気にしない人がほとんどのようです。同じ気温でも湿度が高いと熱中症になりやすくなるのですが、この話をすると「えっ、そうなの?」と驚かれることが多いので少々不安になります。
熱中症と聞くと夏の炎天下で長時間に渡って渡って仕事や運動をしている場合にかかる病気だと勘違いしている人が多いようですが、実際にはもっと広い環境下で起きます。。確かに熱射病(日射病)は日差しの強い暑い場所でなりやすいのですが、熱中症は室内で発症するこもありますし、4月あるいは9月と言った「涼しい季節」というイメージの時期でも発症する場合があります。
まさか、春先や秋口に熱中症にかかるなんて、と思われるかもしれませんが本当のことです。例えば、2011年は、6月に6980人、9月に3960人が熱中症で搬送されています。
熱中症に深く関わる気象的な主な要素としては「気温」「湿度」「輻射熱」「気流(風速)」の4つがあります。人は、さまざまな体温調整機能を備えていますが、暑いと汗をかき、それが気化する際に体の熱を奪って体温を下げるという基本的な機能は皆さんもご存知だと思います。湿度が高い梅雨時には洗濯物が乾きにくく、湿度が低い季節には乾きやすいのと同じように湿度が低いと汗が気化しやすくなって体温が下がりやすいのですが、湿度が高いとその逆になります。
また、風が強いと汗が気化しやすくなり、体温も下がりやすくなります。輻射熱は、ビルの壁やアスファルトの地面などから放射される熱のことです。これら4つの要素の測定ができれば一番理想的な状況を知ることができるのですが、気温と湿度はともかくとして、輻射熱や風速は専門の装置がないと測ることができません。そこで、気温と湿度をの測定値を元に熱中症の予防の指針を知る方法があります。それが、ヒートインデックス(Heat Index)やWBGT(湿球黒球温度)近似値です。
ヒートインデックスは、米国などでよく使用されているもので、もっとも重要な気温と湿度という2つの要素から計算して熱中症予防の指針を知ることができます。輻射熱や風速は考慮していないのでかなりアバウトですが、気温と湿度さえ計測することができれば誰にでも手軽に指針を知ることができます。この表を見ると気温が28度で湿度が85%を超えるとかなり厳しい指針となっています。
日本では、熱中症予防の指針として輻射熱を取り入れた「WBGT(湿球黒球温度)」という指数を環境省が利用しており、輻射熱の要素を取り入れることでヒートインデックスよりもさらに正確な判断が期待できます。しかし、輻射熱を測定するには黒球温度計というのが必要で、これを搭載した熱中症指標計は安い物でも3万~5万円もします。
そこで、気温と湿度の値から、日本気象協会の独自の計算方法によって近似値を算出してLEDライトと警告ブザーで知らせてくれる装置があります。それが、「携帯型熱中指標計「見守りっち」付き熱中症対策ガイド」に付属している「見守りっち」です。
「見守りっち」は、コンパクトながら気温と湿度を同時に測定できるため、自分が現在居る場所の値を手軽に測定することができます。また、いちいち表を出して確認しなくても10分置きに自動的に計測して、内蔵のプログラムが熱中指標ランクを表示し、厳重警戒に達すると警戒ブザーが鳴る仕組みになっています。
温度計と湿度計を持ち歩いてヒートインデックス表で確認するという方法もありますが、「見守りっち」ならこれ一つで自動的に危険性を知ることができるので便利です。
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