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熱中症ミニ知識

熱中症の悲劇はなぜ繰り返されるのか? - 学校関係者の方は細心の注意を

一週間で熱中症で救急搬送されたのは5467人で、比率は、高齢者が45.9%、成人39.5%、少年13.6%、乳幼児1%となっています。

今週は暑い日が続きます。東京の本日の予想最高気温は33度、明日は32度です。消防庁の発表では、7月16日?22日の一週間で熱中症で救急搬送されたのは5467人で、比率は、高齢者が45.9%、成人39.5%、少年13.6%、乳幼児1%となっています。傷病程度は、死亡13人、重症137人、中等症1797人、軽症3411人、その他109人でした。まだ、涼しく感じられている地域もあると思いますが、急速に熱中症による救急搬送が増えています。先週末は涼しかっただけに、今週は体の慣れも含めて慎重に暑さ対策をしたほうがいいでしょう。   熱中症による搬送のニュースが飛び交う中で深刻に考えざるを得ないものがあります。一つは屋内にいたのにも関わらず高齢者が死亡するケースが多いこと、そして児童や生徒たちが学校にいる最中に熱中症になってしまうケースです。高齢者については後日改めて書きますが、学校にいる時は子どもたちに行動の選択権がほとんどありません。体育の授業に出るのが嫌だとは言えないし、部活なども暑いからと出ないわけにもいきません。もちろん、ほとんどの学校で先生たちが熱中症にならないように配慮しているからこそ大きな被害が出ていないのですが、それでも救急搬送が絶えないのは非常に残念なことです。   原因としては、一部の教育関係者の熱中症に対する意識の甘さや知識の乏しさもありますが、報道の内容にももう少し具体的に注意喚起して欲しいところです。7月14日に栃木県高根沢市の中学校で女子生徒5人が熱中症になってしまった件は教諭自身の配慮の足りなさもありますが、報道では、当日の気温が28度前後あるいは28度程度としているところがほとんどでした。高根沢市のアメダスは降水量しか発表されていないため、近くの宇都宮の午前10時のデータを見てみると気温は27.5度、湿度は77%、風速は1.4mでした。このデータだけ見るとヒートインデクス表では注意ぐらいのものです。おそらく、この報道をご覧になった方のほとんどが、「それほど暑くないのに熱中症になったんだ」という印象を持たれたはずです。では、実際はどうだったのでしょうか?   現場の気象データは誰も測定していなと思われますので推測でしかないのですが、報道によればグランド脇のコンクリート部分1周約200メートルを100周走るように指示を出していたそうです。以前から言っているようにアメダスの測定環境は芝生の上です。コンクリートやアスファルト、あるいは土の地面の場合には輻射熱などの関係でかなり気温が高くなってしまいます。日中は曇っていても2度?3度、晴れていれば5度?10度はアメダスの値よりも高くなります。天候は深夜から早朝にかけて若干雨が降っていて、熱中症が発生した10時ごろは曇っていたようです。宇都宮のデータでは、3時?7時まで湿度は94?95%もありました。10時の時点では77%まで下がってはいますが、相当蒸し暑い環境です。高根沢市も同様に早朝は雨が降っていたようで、湿度はそれなりにあったように思われます。   これらのデータから推測すると多少蒸し暑くても曇っているので熱中症になるような危険な状態だとは感じにくかったのかもしれません。しかし、16周(約35分経過)ぐらいから生徒の状態に異変が見られたということで、体にはかなり過酷な状態だったようです。もし、グランドのコンクリートの上で気温と湿度を測定していたら、もっと違った判断ができた可能性があります。77%の湿度だったとしたら、気温が30度ぐらいでも警戒すべき状態で、31度なら完全に危険な領域です。   以前から言っているようにアメダスの値や人の感覚で判断するのではなく、必ず温湿度計を使用してその場のデータを測定して判断する必要があります。あまり暑くないと感じていても測定データが危険な領域なのであればそれに従いましょう。年齢や性別、体格、体質、体調など、人によっても暑さの感じ方が違うので、大勢の人間が対象になる場合には先生個人の感じ方で判断するのではなく、ヒートインデックスやWBGTのような一般的な指標を元に判断してください。熱中症という予防できるはずの病気から児童や生徒を守ってもらいたいと切に願っています。   また、報道機関の方は、正確な情報に基づく報道という意味ではアメダスの値しかないのですが、実際の気温はもっと高い可能性があることを同時に伝えてもらいたいと思います。多くの人がこの事実を認識できるようになれば、熱中症はもっと減らせるのではないでしょうか。    

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マイナビ出版 旬モノ編集部(出版社)
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