逆境力
主婦と生活社
- 宮本延春(著者)
中学の通信簿はオール1で、いじめを苦に自殺未遂を図ったことも。中学卒業後は天涯孤独のフリーターで、1ヶ月の生活費が13円…。そんなどん底の生活を抜け出し、23歳で夜間高校に入学し、現役で名古屋大学へ。教師として活躍する著者の「人生は変えられる」という熱いメッセージ。
私が中学に入ってはじめてもらった成績は、国語・数学・理科・社会・英語・音楽・体育・美術・技術の九教科の合計点が一桁でした。世の中に「オール1」という言葉がありますが、まさか自分の成績表にそれを見るとは思ってもみませんでした。しかし、人生とはわからないものです。こんな私が現在、高校で教師をしているのです。人間には、思いを実現する力があります。理想をこの手に掴みとる能力があります。自分が望む人間になることができるのです。私はこれまで、「勉強ができない」という凄まじい劣等感と格闘してきました。「勉強ができる人は偉い。勉強ができない人は落ちこぼれ」というまったくもって下らない価値観に縛られて、無意識のうちに自分の力に限界を設けて、「どうせやってもできない自分には、人間としてなんの価値もないのだ」そう、あきらめていました。しかし、学ぶことの楽しさを知り、知識の素晴らしさや人類の英知を感じることができるいまになっても、やはり≪人間の価値や優劣は、一時の学力で決まるはずがない≫と、そう思っています。「どんな根拠があってそんなことを思うのか」それは、これからこの本をひもといていただけると理解できると思います。(まえがきより抜粋)
発売日:2011-08-18
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