年金制度の展望
東洋経済新報社
- 坪野剛司(著者)、 年金綜合研究所(著者)、 吉原健二(著者)、 畑満(著者)、 佐野邦明(著者)、 清水信広(著者)、 小野正昭(著者)、 宮島洋(著者)、 若杉敬明(著者)、 酒井英幸(著者)、 近藤師昭(著者)
日本の年金制度の課題は、公的年金にとどまらない私的年金を含めた一体的な解決が課題になる。改革議論のたたき台・出発点を示す。
○日本では年金をめぐる社会環境は、一部の誤解による悪い風評が広がり、特に若い人の信頼性が著しく低い状況が続きました。
○現実には、日本の年金は1日の遅れもなく確実に支給され、その総額も平成28年度には国税収入とほぼ同額の約55兆円に到達しました。
○日本の人口1億2,700万人のうち約7,000万人が年金に加入し、約4,000万人の年金受給者があり、その約6割が年金収入だけで生活し、高齢者の収入の約7割が年金所得からとなっています。日本の公的年金に不信・不安が続くことは、高齢者はもちろん若者にとってもけっして好ましいことではありません。特に、年金の持続可能性を実証し、制度の安定を確保することが最も重要です。
○年金制度ができて70年間を経て、どこに誤解があるのでしょうか。公的年金・企業年金をめぐる誤解にはさまざまなものがあります。
●社会の変化で時代に合わなくなっている点はないか
●年金先進国の趨勢と乖離していることはないか
●今の制度に論理的な問題はないか
●度重なる改正で複雑になりすぎ、世論の理解との間に距離はないか
●日本の人口推移を基に将来を見直し、改革が遅れている部分はないか
○本書では、年金制度をめぐる誤解を解消するために、経済学・財政学・法学・年金数理・会計学・運用理論などの知識を融合し、日本の公的年金・企業年金の課題を分析し将来を展望します。
発売日:2017-12-01
目次
日本の年金制度 改革への課題と論点を考える
本書の刊行にあたって
序章:わが国の公的年金制度
第1章:公的年金に対する現状認識と課題
第2章:国際比較からわかる日本の年金制度
第3章:高齢期の所得保障と企業年金制度
第4章:企業年金の普及と持続可能性
第5章:年金制度と税制
第6章:ガバナンス強化を目的とする企業年金検査制度の提案
統計付録
付録
あとがき
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