マイナビ女子オープン出場者インタビュー

中村 桃子女流2級

 

不安はあるが頑張って内容の良い将棋残す

 「まだ環境に変化がないので、実感がわかないですがうれしいです」とプロになった喜びを表した。1997年に女流育成会に入会し、2007年前期に2つ目の昇級点を獲得して、10月に女流2級でデビューする。10年間の長い修行時代だったが、あせりはなかった。「マイペースで続けてこられた。辛かったことや、辞めたいと思ったことはありませんでした」。
父と兄が指していたのを見て興味を覚え、地元の将棋センターに通い腕を磨いた。小学5年のときに育成会に入会。「そのときは、女流棋士がどのようなものか分かっていなかった。強い人と将棋が指したかった」と振り返る。
これからの目標は、「一局一局を大切に指したい。いずれはタイトルを取りたい」と意欲的。対戦してみたい相手はタイトル保持者。「矢内女流名人に教えてもらいたい」。


中村家は4人兄妹。兄は中村亮介四段だ。下に小学生の弟と妹がいて、2人も将棋を指し大会などで活躍している。「幼いころは居飛車党でしたが、兄の影響で四間飛車を指すようになりました。ゴキゲン中飛車などは指しません。弟や妹も四間飛車党です」。
棋風は「相手が攻めてくるのを待って、反撃するタイプ。攻めているほうが好きだが、受けにまわることが多い」そうだ。振り飛車向きともいえる。普段のトレーニングは、「定跡書などはあまり読みません。パソコンで振り飛車中心に棋譜を並べ、ときどき兄に教えてもらっています。あとは実戦です」。
新棋戦に関しては「率直にうれしいです」。今回の予選がデビュー戦になる可能性が高い。「対戦相手の決定が前日なので、不安な面もあり、緊張することがあるとは思う」と少々心配気味だ。抱負は「精一杯頑張って、良い内容の将棋を指したい」。


 

 

 

昇級を決め

インタビューを受ける中村

 



(週刊将棋 2007年9月26日号)

 

笠井 友貴さんインタビューへ

コラムトップへ