マイナビ女子オープン出場者インタビュー

笠井 友貴さん

 

里見さんと対戦したい

 「将棋を始めたときから、プロと対戦したいと思っていました。今回、お話をいただいたときは、夢が現実になって感慨深かった」と出場の喜びを表した。
小学1年のときに父親から教えてもらい、中・高校生の全国大会で、優勝を重ねた。今年5月にアマ女流名人戦で優勝。8月には今年から新設された非公式戦の世田谷区将棋女流オープン戦(日本将棋連盟・世田谷区主催)に出場したが、1回戦で飯野愛育成会員に敗れた。対局後、悔しそうな表情を浮かべていた。
「対局1週間前、テストなどで忙しかった。頑張って負けたなら仕方ないが、準備不足もあり、精一杯指せなかったのが悔しかった」。
詰将棋、棋譜並べ、実戦がトレーニング法。詰将棋は一番お気に入りで、月に1冊は本を買う。ネット将棋のレーティングは2100点。「女流アマ名人戦のときは学校とネットで1日中指していて、将棋漬けでした」と振り返る。居飛車党で、得意戦法は角換わり。棋風は攻め将棋だ。
好きな棋士は同郷の深浦康市八段。「人柄に惹かれます。指導もしてもらったことがあり、深浦先生が挑戦している王位戦の感想も教えてくれます」。
現在、東大2年。将来の夢は、「国際的な機関で教育に関わる仕事に携わること」だそうだ。
8月末から2週間、英語の勉強を兼ねてオーストラリアへホームステイした。充実した日々を送ったが、コミュニケーションでは苦労が絶えなかったようだ。「身ぶり手ぶりで通じても、それでは真意が伝わらないのでもどかしかった。今まで、いろいろな単語を覚えてきたが、生きた英語を身につけなければと思いました」と反省も。
公式戦には初出場。今回、対戦してみたい棋士は里見香奈女流初段。「終盤がすごいと思う。多分かなわないと思うけど、里見さんの終盤を体感してみたい」が理由。「里見女流初段は本戦からですよ」というと「そうですよね〜」と笑った。
「悔いの残らないように精一杯頑張りたいです。ベストを尽くすなかでいい結果を残せたらと思います」と抱負を語った。

 

 

 

女流アマ名人戦決勝。

成田弥穂さんを破り優勝した

 

 



(週刊将棋 2007年9月19日号)

 

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