マイナビ女子オープン出場者インタビュー

熊倉 紫野女流2級

 

予選の一斉対局楽しみ 初勝利がほしい

 初出場する女流棋士の中で唯一、育成会のときにレディース2006に出場し、予選2回戦まで進出した。「緊張してずっとそわそわしていました。初戦に勝ててホッとしてしまって・・・。2局目は集中できず、力が出し切れませんでした」と振り返る。
06年度後期の女流育成会を11戦全勝で優勝。女流2級でデビューし、初対局を迎えた。対戦相手は上田初美女流初段。得意の四間飛車で臨んだが、上田初段に居飛車穴熊から一方的に攻め倒された。終局後、対局室から出て化粧室に駆け込む姿を記者は目撃した。その後のインタビューでも、涙目で感想などを語った。明るい性格の持ち主だと思っていた記者は意外だった。「よく泣きます。完敗だっただけに悔しかった」と振り返った。
以来、日程的な関係もあり公式戦からは遠ざかっている。「対局が付いたときには頑張ろう、前向きな気持ちでトレーニングをしよう」と思い、育成会時代から交流のあるアマチュアの研究会にも参加している。「デビュー戦よりはいい内容で指せると思う」と自信も付いてきたようだ。
イベントでの指導対局などにも意欲的だ。日曜日に東京・将棋会館で行われている「パワーアップ将棋塾」で、中高生を指導している。「依頼は積極的に受けようと思っています。イベントで話しかけていただけるとうれしい。強くて、普及などもこなせる棋士になりたい」。
本棋戦新設は「うれしい。何よりも対局がつくので」と喜びを表現。予選の一斉対局も楽しみにしている。持ち時間に関しては「普段の研究会に近いので指しやすいと思っている」と苦にしていない。「1局目に勝ちたい。初勝利がほしい。仮に2局目に進めたら、自分の力がどこまで通用するか試してみたい」。


 

 

 

初対局の対上田戦。

熊倉の初手は▲7六歩

 

 



(週刊将棋 2007年9月26日号)

 

中村 桃子 女流2級インタビューへ

コラムトップへ