マイナビ女子オープン出場者インタビュー

小野 ゆかりさん

 

できれば勝ちたいな

 祖父と父親が指しているのを見て興味を覚えた。小学1年のとき、東京都杉並区にある「棋友館」の館長・小田切秀人指導棋士五段に指導を受けた。それがきっかけで、小田切五段の将棋教室に通うようになり、のめり込んでいった。
中学1年のとき、中学生選抜将棋選手権戦で3位、翌年は準優勝、キリンビバレッジカップ学生将棋選手権・ガールズ部門では3位。今年の3月にはアマ女王戦で優勝した。
現在も「棋友館」で小田切五段の指導を受ける。同所には勝又清和六段、石川陽生六段がよく足を運ぶそうでインタビュー当日も、勝又六段が立ち寄っていた。「ここには負けたくない同世代のライバルがたくさんいます。ほかの道場などにはあまり行きません」。
普段のトレーニングは「棋友館やネット将棋など実戦中心です。ネット将棋のレーティングは2000点くらい。詰将棋は気が向いたときにする程度です。本を読むのが苦手なので、定跡書などはあまり目を通しません」と笑いながら話した。
得意戦法は四間飛車だが、相振り飛車の感覚を養うように矢倉も勉強中。棋風は攻め将棋。以前、トップアマと対戦したときも、臆せず果敢に攻め込んでいた。ただ、「ときどき、無理攻めをしてしまう」と反省することもあるそうだ。
好きな棋士は中井広恵女流六段。中学2年の夏休みに、社会人に仕事の話を聞き、感想文を書く宿題があった。そのとき、中井女流六段に会った。親切な対応に「いい人だと思った。憧れの存在です」。
中学3年生。「受験生なので、これからは勉強も頑張ります」という。将来の夢は「女流棋士は一つの選択肢だと思っていますが、まだはっきりしていない。ただ、将棋に携わっていけたらいいなと思う」と目を輝かせた。
公式戦には初出場。対戦したい棋士は特にいない。「誰とあたっても、プロが相手なら負けてもともとなので気楽に指せる」とリラックスして本番を迎える。抱負は、「力を出し切りたい」と控えめ。だが「勝てればいいな」と本音をちらりとのぞかせた。

 

 

 

 

棋友館で勝又六段の指導を受ける

 


 

 

(週刊将棋 2007年9月19日号)

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