マイナビ女子オープン出場者インタビュー

石橋 幸緒女流四段

 

この経験をムダにはしない 勢いをつけて必ず本戦へ

  開幕を控え、主催3団体の会議が連日のように行われている。石橋は渉外担当理事として、いつもその場にいた。「じゃあ今度の会議の後で」。インタビューの日程を打ち合わせたら、そういうことになった。
「最年少なんですよ」
  いきなり言われて、何のことか分からなかった。実はこの理事、LPSAの最年少女流だった。北尾、島井の両女流初段が同い年だが、確かに石橋が一番遅い生まれだ。ダカラコンナニゲンキナノカ。
  それでも、昨年はさすがに元気がなかった。「歯車が狂っていた。急所のミスが多く、納得がいかない」と振り返る。
  レディースは相性抜群の棋戦だった。優勝3回。特筆すべきは95年から12年連続で本戦1回戦負けがないこと。空前の盛り上がりとなった決勝三番勝負のことを聞くと「もちろん自分がそこにいたかった」。理事はやっぱり女流四段だ。
  でも「あれだけ盛り上がったのはすばらしいこと。今回は新棋戦ということで注目が集まりますが、女流そのものの注目度をもっと上げたい」と、また理事に戻った。ならば理事と棋士との両立について聞く。
「やったことがないので力将棋を指しているみたい。未知の局面は面白くもありますが、もちろんたいへんです。行動範囲も大きく変わりました。将棋指しなので対局が大事なことは分かっていますが、今はいろいろな経験を通して将棋に生かせればと考えています。組織を引っ張っていく責任感も盤上に生かしたい」
  今の経験をムダにはしない、とキッパリ語った。
  LPSA旗揚げから、成績が戻った。「内容も安定している。精神的なものが大きい」と、手ごたえを語る。女流王位戦ではLPSA初タイトルに向けて好スタートを切った。
「予選は必ず抜けます。持ち時間が短いので、中終盤の競り合いが勝負。本戦に向けて勢いをつけたい」 

     

 

 

 

レディース2005決勝第1局

 

 



(週刊将棋 2007年10月10日号)

 

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