マイナビ女子オープン出場者インタビュー

伊奈川 愛菓女流2級

 

短い持ち時間気にしない 一局でも多く指したい

 2006年9月に育成会を卒業し、10月にデビュー戦を迎えた。対戦相手は貞升南女流1級。右玉に囲ったが、貞升に玉頭から攻めつぶされた。敗戦に「それが現実なのでしょうがない」と淡々と語った。
初戦から3連敗を喫する。「弱いのでしょうがない。相手との差があると思った」。デビュー戦から5ヶ月ほどたった07年3月、第15期倉敷藤花戦(倉敷市主催)1回戦の対中倉宏美女流初段戦で初勝利を挙げた。勝ったときは「うれしかった。奇跡かなと思った」そうだ。
同・2回戦は清水市代女流二冠と対戦した。デビュー時のインタビューで、憧れの棋士として清水女流二冠をあげ、「強くなってから対戦したい」と語っている。「プロになって日が浅いのに、清水さんと対戦できてうれしかった」と振り返る。清水が得意としている横歩取りを受けて立ったがあえなく敗れた。「読みの量など、すべてにおいて強いなと思った」。
デビュー以来、1勝4敗との成績には、「それくらいかなと。力が足りない」と感じている。


現在、高校2年生。将棋を離れれば、普通の女子高生だ。15、16日の両日には学校で文化祭があったそうだ。はるか昔に高校を卒業している記者には懐かしい響きだった。「クラスの出し物はお化け屋敷でした。途中で別れ道があるので、迷わないように誘導したりしました。みんなで写真を撮ったりしました」と高校生活を満喫している。
普段のトレーニングは、ネット将棋などでの実戦が中心。師匠の所司和晴七段のところで、奨励会員との研究会にも参加している。 「マイナビ女子オープンに出場できてうれしい」。持ち時間(40分)に関しては「長考派ではないと思うので」と気にしていない。「一局でも多く、楽しく指したい」と抱負を語った。

 

 

デビュー戦

対貞升戦の感想戦

 

 



(週刊将棋 2007年9月26日号)

 

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