マイナビ女子オープン出場者インタビュー

早水 千紗女流二段

 

感覚つかめた早指し戦 あとは調子が戻れば何とか

 女流1級で出場したレディース98では予選を勝ち抜き、本戦に出場。碓井涼子女流初段、石橋幸緒女流二段(碓井は現・千葉、段位は当時)を破り、ベスト4に進出した。高校2年生、デビューして3年目のことだ。初々しい対局姿が紙面に掲載されている。

「その当時は技術的にも未熟で、向こう見ずなところがあった。勢いもあったと思う。運をつかんでベスト4までいけた」と振り返った。
 レディース2003予選では、椎間板ヘルニアを患いながら対局に臨んだが、山田朱未女流初段に敗れ、通過はならなかった。「足が焼けるように痛くて、対局ができるか分かりませんでした。薬を飲んでいました」と苦い思い出を語る。
「プロになって11年。タイトル戦が新設されたのは初めて。レディースにはデビューしてからずっと出場しているので感慨深い」と言う。目標は「予選突破」と控えめ。「予選(40分)と本戦(3時間)で持ち時間がぜんぜん違うので、まずは予選から」と理由を語った。
  先週号(9月26日号)で既報の通り、9月18日には自らが幹事になって研究会を行った。矢内理絵子女流名人など8人の女流棋士が集まり、予選と同じ持ち時間で3対局。「この時間設定は今まで経験がなく、時間配分が分かりませんでした。1、2回の7、8分の長考ができそうなど、だいたい感覚はつかめました」と言う。
  今期は女流王位戦・挑戦者決定リーグ白組の優勝を矢内女流名人と争った。好調なのかと思ったが「調子はあまり良くない」と意外な回答だった。「昨年は調子良かったが今年は出だしつまずいた。そんななか、女流王位戦で活躍できたのはうれしかった」。「持ち時間の対策はOKなので、あとは調子が戻れば」と不安気ながら 「せっかくタイトル戦にしていいただいたので、頑張りたい」と第1期への意気込みを語った。


 

 

 

女流王位戦リーグの対矢内戦。

最終局で追いつきプレーオフに持ち込んだ

 

 



(週刊将棋 2007年10月3日号)

 

岩根 忍 女流初段インタビューへ

コラムトップへ