第1回 「天山」(TENZAN:ぶどう)~巨大なひと粒に驚く、皮ごといただける幻のぶどう~
2017.08.08
この連載では2016年10月に刊行した『図説 果物の大図鑑』の補足をお伝えします。スペースの関係上紙面では大きく取り上げられなかった果物、割愛せざるを得なかった果物、新種の果物などをクローズアップしていきます。第1回目となる今回は、巨大なひと粒からなるぶどう、「天山」です。
ある日、編集部に届いた大きなぶどう
『図説 果物の大図鑑』(以下:本書)では、「その他のぶどう」195ページ一番上の表に小さく写真が載っている「天山」。岡山の野上ぶどう園さんから写真をお借りしたのですが、なにやら栽培がむずかしい品種のようで、いちど食べてみたいと思っていたのです。
すると、今年の夏のある日、野上ぶどう園さんから化粧箱にはいったぶどうが編集部に届きました(ありがとうございます!)。開けてみると、びっくり!です。なんて、粒が大きなぶどう! マスカットのような色をしています。
ベンジャーガンとロザリオビアンコとの交配種
箱の中に野上ぶどう園の野上庄吾さんからのお手紙がはいっていました。
この「天山」は山梨県の志村富男先生が1986年に中国から持ち帰った「ベンジャーガン」を母に、ロザリオビアンコ(本書190ページ)を父にした交配種だそうで、タイ王室にも献上され、タイでも栽培されているとのことです。栽培が難しいので、いまでは幻のぶどうともいわれているそうです。
そんなめずらしいぶどうを送っていただいて、ありがとうございます。会社のみんなに食べてもらったところ、一粒の大きさに驚嘆し、「さっぱりして甘い」という声が返ってきました。
一粒30gの大きさに成長し、糖度も17度にもなるこの「天山」、名前は天にも届く大きな山をイメージしてつけられたそう、果物屋さんにはなかなか出回りませんが、多くの方に召し上がっていただければと願っています。
■野上ぶどう園
http://nogamigrapefarm.com/