本多さおりさんインタビュー「わたしと家計簿」 その1|くらしの本棚

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本多さおりさんインタビュー「わたしと家計簿」 その1

整理収納コンサルタント・本多さおりさんが使っていたエクセル家計簿を元にした、オリジナル家計簿が登場!
お金の流れを見える化するには? 記録を続けるにはどうすれば良い? 本多さんが自身の経験を踏まえて家計簿記入のコツを語ってくれました。

シンプルな家計簿が使いやすい

――(スタッフ ※以下同)家計簿はいつからつけ始めたんですか?

学生時代はノート魔で、そのころから、なんでも書いて整理したりまとめたりすることが好きでした。家計簿はその延長で。

――大学生でお金を管理ってすごいですね。

バイトをしているくらいでしたけど、交際費や買いものなんかで何も考えずに使っていると、お金を何にどれくらい使ったのかわからないなと思ったんです。

見えないものを見える化したいのは今も同じで、とくにお金の流れは見えないものだから、書いて記録したくなったんです。

サボってしまう時期もありましたが、記録することはずっと続けています。

――当時はどんな家計簿を使っていましたか?

最初は、手書きの家計簿でした。

ノートに手で書くという行為が好きだったんです。

市販の家計簿でも、自分でカスタマイズしやすいように、とにかくシンプルなものを選んで使っていました。

それでも、「これ要らないな」と感じる項目が出てきたり、加えたい項目も出てきたので、エクセルでフォーマットを自作したものをプリントして、ノートに貼り付けて。

その延長で、今では入力もエクセル上で。

フォーマットは幾度か更新して、今に至ります。

手書き時代の家計簿、懐かしいです。

イレギュラーな項目を整理する

――家計簿は続かない……という人が多いと思いますが、つまづいてしまう理由ってなんでしょう?

日々の買いもので、「どこに記入すればいいんだろう?」と悩む項目に出くわしたときではないでしょうか。

たとえば、今日おやつで自分が食べたドーナッツは、果たして「食費」?  大根などの食材と一緒にしていいの?

お昼に食べたパンやお弁当は「外食」にしたほうがいいのかな……などなど。

我が家でも、今まで食べ物に関するものは「食費」にしていたんですが、そのうちにモヤモヤしてきて、食べ物に関する項目を整理することにしました。

「食費」(料理の材料費)、「外食・喫茶」、「購買(飲食)」と目的ごとの3項目にしたことで、記入に迷わなくなりました。

もうひとつ続けていくうちに悩んだのが、クレジット。

その日にカードを使っても引き落としは先ですし、カード会社によっても引き落とし日が違うから、記入するときにどうすればよいか、迷ってしまうんです。

そこで、クレジットも現金ととらえて、使った日に記入するようにしました。

引き落とし日は、カードごとに別枠を作って記入をしています。

ここはエクセルで、自動計算には反映していないのですが、記録として後で見られるようにしています。

――カードは管理さえできれば、便利なアイテムですよね。

はい。それでもややこしいことには変わりないので、極力カードは使わないようにしていますが……。

最近では、口座から直接引き落とせるデヴィットカードが便利だと感じています。

今私がカードで使っているのは固定費(光熱費など)の引き落とし、よく利用するデパートのカードの2枚のみ。

あとは夫が2枚持っていて、家庭で合計4枚。

通勤で使えるから、ポイントが貯まるから、ETCで使うから……などの理由でついついカードを増やしがちですが、5枚あるより3枚のほうが断然管理がラク。

わが家も、カードを多く持っていた時期があって、断捨離しました。

思いきって「1レシート1項目」に

――「豚肉」「洗剤」「ティッシュ」など、商品を細かく記入するのではなく、お店で使った金額を記入するんですね。

私の場合ですが、仕事柄、整理収納サービスで使うものや試してみたい収納アイテムなど、「無印良品」を利用することが多々あります。

ただ、無印ではお菓子や靴下なんかも一緒に買うことがあるので、レシート内で項目が多岐にわたり、家計簿への入力が面倒と感じるようになったため、わざわざ分解せずに、「日用品」の項目に「MUJI」と入力するように。

それで、他の項目もレシートごとに、つまりお店ごとに入力するようにしました。

項目(目的)ごとに整理されているから、大体どんなものに使ったか把握することができます。

完璧にしようとせず、少々おおらかでも目的はあくまで「記録すること」であると認識する。

これが、家計簿を無理せず長続きさせるコツかなと思います。

――手書き・エクセル・アプリの3種の家計簿に分かれますが、エクセル派の訳は?

エクセルの良いところは、なんといっても自動計算してくれるところ。

手書きのときの手間がなく、頭を使わずに入力するだけです。

スマホのアプリも便利なものがあるようですが、私は断然エクセル派。

私は普段から仕事でPCを開きますし、何かのついでに「入力してしまおう」とルーティンに組み込んでいます。

レシートをクリップにはさんでおいて、ある程度たまったら処理するという感じです。

仕事のついでに入力を済ませます。

レシートがたまってきたら、打ち込みどき。

>>その2へ続く

プロフィール

本多さおり(著者)
整理収納コンサルタント。2011年に個人向け整理収納サービスをスタートし(現在は休止中)、初著書『片付けたくなる部屋づくり』(ワニブックス)が13万部を超えるベストセラーに。収納の固定概念にとらわれず、「自分がラクしたいから」という気持ちに素直に向き合う姿勢が主婦の共感を集めている。2015年「片づけやすいしくみは、家事を快適にする」と初の家事本『家事がしやすい部屋づくり』(小社)を刊行。結婚6年目で第1子を授かり、現在は育休中。