第3回 理想のトレンチコートを追い求めて|くらしの本棚

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第3回 理想のトレンチコートを追い求めて

私のおしゃれの勉強法は、街を歩くおしゃれな人を見つけることです。若い方や年上の方で、取り入れたいなと思うおしゃれをみつけるとうれしくなります。この連載では、私が街でみつけた「おしゃれ」を紹介したいと思います。

「トレンチコートこそ大人が似合うもの」

自分にはまだまだ無理だと思っているうちに、気がつけば45歳。街ゆく人のトレンチコーデを見ながら、自分の一着をみつけようと参考にしています。

 

マリン・トレンチスタイル
トレンチ×ボーダーはフランスの女優さんのような憧れスタイル。襟を立てて大人っぽくして、袖はくしゃっとまくると、自分にフィットしておしゃれ感アップ! 赤いバレエシューズでかわいらしさをプラスして、バーキンバスケットと呼ばれるかごバッグをラフな感じで持てば、カンペキ! 元オリーブ少女はこうゆうスタイルに弱いんです。

ボタンを開けてラフにボーダーシャツを合わせたフレンチスタイルもしてみたいし、前ボタンをすべて閉めたクラシカルな着こなしもしてみたい。両方の着こなしができる「運命のトレンチ」をずっと探しているのです。

 

クラシカル・トレンチスタイル
上質なものをきちんと着こなす大人のブリティッシュスタイル。憧れのスタイルは「アクアスキュータム」のトレンチコートの前を閉じて着ること(やせなきゃ)! 「ジョンストンズのカシミアチェックストールで、華やかさと暖かさを、ベレー帽で大人の知的な遊び心を! 正統派トラッドスタイルで、美術館に行くなんて大人だな♡

トレンチは微妙な違いでシルエットがぜんぜん違うので、2、3年前からデパートに行っては試着を繰り返す日々。

最近は細身のシルエットが主流なので、二の腕の太い私には厳しい。腕が入っても前のボタンが留められないこともしばしば。「前は締めずに開けて着ると決めて、買われる方もいますよ」と何度言われたことか。

だからといって大きめサイズを着ると、袖が長すぎてカッコ悪いことになるので、私がダイエットをするのが、近道かも?!

 

NGトレンチスタイル
肩幅が大きすぎると→ぼっちゃり刑事に! Aラインのトレンチ→若作りに見えちゃうかも。 肩幅の大きいものを選ぶと、ガッチリ恰幅のいい印象になってしまいます。ちょっとエラソーにみえるかも…。Aラインはガーリーな印象になるのでかわいすぎる、イタイ若作りかも…。

丈やウエストのシルエット、襟の大きさ、生地のハリ感の違いで、OLさん風になったり、刑事(デカ)風になったり、幼稚園児みたいになったりするので、NGスタイルにならないよう気をつけたいです。

そんな「運命のトレンチ」を探すなか、実は心ときめいたブランドが2つあります。

イギリスの老舗「Aquascutum(アクアスキュータム)」と、ベーシックで洗練されたアイテムがそろう「HYKE(ハイク)」。どちらもカッコよく着こなせるシルエットが好みだったのです。

でも、私にとっては、「よし買っちゃおう!」となかなか思える金額ではなく、財布の紐は緩みませんでした。

来年にもう一度試着して、このどちらかを選べる余裕があればいいなぁ!

プロフィール

堀川 波(著者)
1971年大阪生まれ。大阪芸術大学卒業。おもちゃメーカー開発部勤務を経て、絵本作家・イラストレーターに。著書に『女おとな旅ノート』(幻冬舎文庫)、『40歳からの「似合う」が見つかる 大人の着こなしレッスン』(PHP研究所)、『大人のおしゃれの新しい買い方』(KADOKAWA)、『暮らしのおくりもの』(KKベストセラーズ)など多数。http://instagram.com/horikawa._.nami